種別 論文
主題 沈下および収縮によるかぶりコンクリートの初期欠陥とRC部材の構造挙動
副題
筆頭著者 下村匠(東京大学工学部)
連名者1 三島徹也(前田建設工業技術研究所)
連名者2 佐藤文則(前田建設工業技術研究所)
連名者3 前川宏一(東京大学工学部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 213
末尾ページ 218
年度 1990
要旨 はじめに
コンクリートは打設・養生方法や環境作用によって、構造物の耐久性能や力学的性能を劣化させるさまざまな欠陥が生じることがある。とりわけ、打ち込み直後から硬化コンクリートへと、その性状が時間的に大きく変化する初期材令には欠陥が発生しやすく、この時期に発生した微細な欠陥が構造物の寿命を大きく左右してしまう場合さえ有り得る。コンクリートに内在する欠陥を定量評価し、欠陥を生じさせる作用と発生する欠陥との関係を定量的に明らかにすることは、欠陥の発生を予測し、欠陥に強いコンクリートを開発するためには重要である。本研究では打ち込み直後から初期材令に、ブリージングと骨材の沈下、および乾燥などにより自由水が減少することによる収縮によって、打ち込み面かぶりコンクリートに発生する初期欠陥を、領域平均的なコンクリートの力学特性であるTension-Stiffening効果によって評価することを試みる。
まとめ
本研究では、ブリージングによる沈下および自由水が減少することによる収縮によって、打ち込み面かぶりコンクリートに発生する初期欠陥に対し、領域平均的なコンクリートの力学特性であるTension-Stiffening効果による評価を試みた。本研究により以下のことが明らかになった。1)かぶりコンクリート中に顕在的あるいは潜在的に存在する初期欠陥はコンクリートの引張特性に影響を及ぼし、引張特性により初期欠陥を評価することが可能である。2)コンクリートの品質は水和の進行による正の寄与と欠陥の発生による負の寄与により決定される、コンクリートの品質を予測するためには双方を考慮し総合評価する必要がある。3)環境の作用量が同じでも、作用を受ける時点でのコンクリートの水和の進行度の違いによってコンクリートが受ける影響は異なる。コンクリートに発生する欠陥を予測するためには、環境の作用量だけではなく、作用を受ける時点でのコンクリートの状態を考慮する必要がある。4)沈下により生じたひびわれが、その後の乾燥によりさらに開口することがある、すなわち沈下による欠陥と収縮による欠陥は複合する場合がある。5)環境の作用量・作用する材令が同じであっても、配合の違いによってコンクリートが受けるダメージは異なったものとなる。これらの知見をもとに今後は、沈下や環境作用によるコンクリートの欠陥の発生を統一的に予測する研究を進めてゆく予定である。
PDFファイル名 012-01-1035.pdf


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