種別 論文
主題 高炉セメントを用いたコンクリートの圧縮強度に及ぼす初期乾燥の影響
副題
筆頭著者 月岡存(三重大学生物資源学部)
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キーワード
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先頭ページ 219
末尾ページ 224
年度 1990
要旨 まえがき
近年、資源の有効利用、セメントの水和熱の抑制およびアルカリ骨材反応対策等により、高炉セメントを使用したコンクリートの需要が多くなってきた。ところが、高炉セメントコンクリートは初期の湿潤養生が大切であるといわれており、土木学会や日本建築学会の設計施工指針では、普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べやや長い湿潤養生日数を定めている。これに関連して筆者は、湿潤養生期間が7日、養生温度が20℃程度であっても型枠取り外し(脱型)後の環境湿度が低い場合、高炉セメント(B種)コンクリートは標準養生のものや普通ポルトランドセメントコンクリートに比べ28日強度が相対的にかなり低いことなどを報告した。ところで、このように初期養生の不十分な高炉セメントコンクリートの強度増進については明らかにされていないように思われる。そこで、打設後初期に乾燥の影響をうけ、その後湿潤養生された高炉セメントコンクリートの圧縮強度に及ぼす脱型時期と初期乾燥期間の影響について実験的に検討することを試みた。
まとめ
打込み後初期に乾燥の影響をうけ、その後水中養生(再養生)された高炉セメントコンクリートの圧縮強度についての実験を行なった。得られたおもな結果は次の通りある。(1)普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートと比較して、初期の乾燥による高炉セメントコンクリートの重量減少率は大きく、標準養生に対する再養生供試体の圧縮強度比は小さい。また、両者の大きさは脱型時期と乾燥期間に影響される。(2)材令が若いうちに10日間乾燥された高炉セメントコンクリートの再養生後の圧縮強度は標準養生のものに比べ相当の強度低下を示したが、1〜3日間初期乾燥された場合の圧縮強度の低下は少なかった。(3)打込み後初期に乾燥され、その後水中養生された高炉セメントコンクリートの91日強度は、標準養生された同じコンクリートの91日強度より小さいが28日強度よりは大きかった。(4)初期乾燥によるコンクリートの水分減少率が再養生後の圧縮強度に及ぼす影響は、乾燥期間により異なる。また、その影響は91日強度より28日強度に対する方が大きかった。最後に、本研究のまとめとして、初期養生が十分行なわれなかった高炉セメントコンクリートは、その後湿潤養生を長期間実施することにより、圧縮強度の点からはほぼ満足できる(再養生の91日強度が標準養生の28日強度を越える)ものが得られるということができる。
PDFファイル名 012-01-1036.pdf


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