種別 論文
主題 現場試験によるコンクリート橋の安全性評価手法の実用化
副題
筆頭著者 宮本文穂(神戸大学工学部)
連名者1 森川英典(神戸大学工学部)
連名者2 前田敏也(清水建設)
連名者3 熊谷稔(神戸大学大学院)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 313
末尾ページ 318
年度 1990
要旨 はじめに
既存橋梁の安全性は、対象橋梁に対する診断結果から得られる耐用性(耐荷性、耐久性)に荷重効果を考慮して評価する必要がある。橋梁に作用する荷重効果は、種々の管理機関によって収集されたデータに基づきほぼ確率・統計的取扱いが可能な現状にあるが、耐用性診断の実状は、橋梁が他分野の製品と比べて大規模で単産品となること、その耐用期間が数十年に及ぶこと等のため、橋梁管理者が最も望んでいる耐荷力、耐久性を直接評価できず、維持管理の基本部分をなす安全性評価を困難にしている。本研究は、従来よりコンクリート橋を対象として実施している現場非破壊試験による安全性評価手法の実用化を、各種現場試験結果を通じて検討するものである。すなわち、架設後数十年を経た数橋の鉄筋コンクリート(RC)T桁橋に対して各種現場非破壊試験を行うことによりその安全性を図1に示すフローに従って評価し、その評価結果を破壊試験において検証し、これらの結果を基に非破壊試験による安全性評価手法の実用化について考察を行った。
結論
本研究で得られた主な結果を以下にまとめる:1)主桁破壊の進行にともない非載荷桁への荷重分配率は大きくなる。一方、横桁の剛性低下は荷重分配効果を小さくし、曲げ剛性の小さい主桁の安全性は特に大きく影響を受ける。2)アスファルト舗装は本橋のように床版と舗装との付着が十分でない場合、曲げよりもむしろせん断耐荷力に影響を及ぼし、その厚さが厚くなれば主桁剛性への寄与はかなり大きくなり、安全性評価においては考慮すべき重要な要因の一つである。3)終局状態では支点拘束モーメントはほぼ一定となるため、損傷と対応させた支点拘束条件を回転ばね定数で表そうとする場合、終局状態ではばねを降伏させないと支点拘束モーメントを大きく見積る恐れがある。4)主桁破壊試験より得られた終局曲げモーメントの値は設計用値に基づいて算定したそれの約1.7倍、実測結果より得られる材料強度を考慮しても約1.3倍程度に分布することが明らかとなった。また、供用後の材料劣化は架設後50年程度であれば曲げよりもむしろせん断耐荷力の低下に影響することが明らかとなった。なお、本研究の遂行にあたり、終始御助言を頂いた神戸大学工学部西村昭教授、ならびに現場試験の実施にあたり多大な御協力を頂いた兵庫県土木部道路建設課の関係各位に深く感謝致します。
PDFファイル名 012-01-1053.pdf


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