種別 | 論文 |
主題 | コンクリート橋の振動特性変化に基づく損傷評価に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 宮本文穂(神戸大学工学部) |
連名者1 | 森川英典(神戸大学工学部) |
連名者2 | 山本昌孝(阪神高速道路公団) |
連名者3 | 桜井敏幸(山口県) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 319 |
末尾ページ | 324 |
年度 | 1990 |
要旨 | はじめに 従来、物資の流通や人の移動手段として鉄道が中心であったものが、道路を利用した輪送形態へ依存する割合が高まってきており、道路施設の一層の整備拡充が要求されると共に維持管理の問題が注目されつつある。特に、これらの根幹となる橋梁については架設後20〜30年を経て老朽化が進んできつつあることや通行車両の大型化や超重量車両の混入が急速に進んできたこと、さらに近年、アルカリ骨材反応や塩害等コンクリートの早期劣化が問題化したことによって、早急な維持管理対策が求められている。このため、維持管理に対する意識が、建設当時の壊れたら直すという後追い的姿勢から、予防的・計画的な維持管理手法へ移行してきており、これにより安全性、信頼性の確保や供用期間の延長等を図ることが可能となる。従って、広く積極的な維持管理を行っていくためには、現行の技術者の高度な知識と豊富な経験に裏付けられた主観的な判断によるのではなく、可能な限り定量的な評価に基づく客観的な判断によって行う維持管理手法へと移行する必要があると考える。そこで、本研究では、客観的定量的な維持管理を行うための第一段階として、まずは橋梁損傷部の定量的な評価を行うことが重要であると考え、振動特性に基づいた損傷評価法の検討を行った。損傷パラメータとしては、剛性低下の他に減衰の変化に着目した複素固有値解析を導入すると共にその効率化を図るために区分モード合成法の適用を試みた。また、損傷評価には動的感度係数を用いたSystem Identification法(以下S.I.法)を適用し、損傷パラメータの同定を行った。また、評価法の検討と同時に実橋試験を、1)解析モヂルと既存橋梁の動的感度の相違について確認する、2)実用的現場試験法の選択手法の確立、3)損傷モデルの確立という目的で行った。 結論 本研究においては汎用的手法による客観的定量的な維持管理を行うことを目的として、振動特性に着目した損傷評価手法の検討を行った。以下に、本研究で得られた結論をまとめる。1)振動特性に基づく損傷評価を種々の解析手法及び実験を用いて効率的に行う手法を示し、人工損傷を導入した実橋でその有効性を確認した。2)損傷の進行に伴う減衰特性を評価するために用いる複素固有値解析を区分モード合成法を適用することによって効率的に行う手法を示し、その精度を確認した。3)損傷パラメータの評価に用いるS.I.法に動的感度係数を利用したS.L.P.による最小値探索法を適用した。4)振動特性を用いて損傷を評価する場合、損傷による動的感度が評価精度を左右するため、各振動特性の感度と評価精度の関係を明確にする必要がある。 |
PDFファイル名 | 012-01-1054.pdf |