種別 | 論文 |
主題 | 石灰石骨材を使用した硬化コンクリート中のセメント量推定方法 |
副題 | |
筆頭著者 | 吉田八郎(秩父セメント試験研修センター) |
連名者1 | 横山滋(秩父セメント試験研修センター) |
連名者2 | 高野豊(秩父セメント試験研修センター) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 347 |
末尾ページ | 352 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき 従来、硬化コンクリートの配合推定には0.1Nの塩酸を使用して硬化コンクリートを溶解し、酸化カルシウム量と不溶残分との関係からセメント量と骨材量を求める方法が一般的に用いられている。しかし、この方法は石灰石や貝殻が混入した海砂等のカルシウム分を多く含む骨材が使用されたコンクリートには、セメント水和物中のカルシウムと骨材中のカルシウムとを同時に溶解するため適用できない。ここ数年、石灰石骨材の使用割合が急激に増加しており、石灰石骨材を用いた硬化コンクリートの配合推定方法を検討しておくことは、打設されたコンクリートの品質確認や構造物の耐久性診断等の観点から重要なことと思われる。これまで、石灰石骨材を用いた硬化コンクリートのセメント量の推定方法として、石灰石中のカルシウムは溶かしにくく、セメント硬化体中のカルシウムを溶かしやすいグルコン酸ナトリウムを使用してコンクリートを溶解する方法、物理的分離とふっ化水素酸処理による化学分析および偏光顕微鏡による鉱物学的アプローチを用いた手法が提案されているが、筆者らはこれらと別の観点からコンクリートの分析方法を検討した結果、精度や所要時間などに関して実用的に満足できる一つの方法を見い出すことができた。すなわち、本報告はコンクリートの分析にはマトリックス干渉が少ない誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP)を用い、セメント成分中で酸化カルシウムに次いで量が多く、変動の少ない酸可溶性シリカに着目し、これを指標として比較的容易に硬化コンクリート中のセメント量を推定する方法を提案するものである。 まとめ 石灰石骨材を使用した硬化コンクリートのセメント量の推定方法について検討した結果、セメント中の酸可溶性シリカを指標として、コンクリートをぎ酸溶解し、そのろ液のシリカ分をICP分析することにより、±15kg/m3の誤差でセメント量を推定できることが判った。この方法は、アルカリ骨材反応を起こしたコンクリートには適用できないが、石灰石骨材の使用割合に係わらず適用できるので、コンクリートの品質確認等に広く役立つものと思われる。今後更に1)長期材令のコンクリート、2)各種セメントおよび混合材使用コンクリート、3)中性化したコンクリート等についても本方法の適用性を検討する予定である。 |
PDFファイル名 | 012-01-1059.pdf |