種別 論文
主題 AE計測による水中不分離性コンクリート打継ぎ特性の評価
副題
筆頭著者 官野一也(間組技術研究所)
連名者1 喜多達夫(間組技術研究所)
連名者2 村上祐治(間組技術研究所)
連名者3 京極孝子(間組技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
1
先頭ページ 359
末尾ページ 364
年度 1990
要旨 まえがき
水中不分離性コンクリートは、優れた材料分離抵抗性を有し、ブリージングが少ないため、従来の水中コンクリートに比べて打継ぎ強度は期待できる。そして、大型試験体を用いた実験によれば、先行打込みしたコンクリート表面を入念に処理することにより、打継ぎ強度(直接引張強度)をさらに改善できることが検証された。しかし、打継ぎのある直接引張挙動は、直接引張による破断エネルギーが打継面に集中する瞬間に、そのときまでに蓄積された微細なひびわれ同士が連続的につながり急激に破断につながると予想されるため、破断過程における変形挙動を捉えにくく、打継ぎ特性を破断強度以外で評価することは難しかった。そこで、本研究では、内部破壊挙動を含めた、破断に至るまでの挙動を追跡するために、AE(アコースティック・エミッション)法を用いて、打継ぎ特性を評価することにした。実験は2シリーズとし、Aシリーズは、既に報告している打継ぎ実験供試体から採取したコア供試体の材令91日における直接引張試験を実施するに当たり、ひずみを測定するとともに、AE法を併用し、水中不分離性コンクリートの打継ぎ破断挙動を検討した。また、打継ぎ打設する前に表面処理を行うことは、水中作業という制約がある上、構造物の種類、工程、作業の煩雑さ等の理由によっては、確実な処理ができないばかりか、打継ぎ処理ができないことも考えられる。そこで、表面処理が行えない場合の代替策として、打継ぎコンクリートの前に水中不分離性モルタルを打込み、打継ぎ性能を高め、打継ぎ特性を向上させることをBシリーズとして検討した。Bシリーズでは、打継ぎ近傍の破断挙動を把握するための方法として、ひずみを測定するとともに、AE法を併用して破壊源位置評定を試みた。
まとめ
1)打継ぎがある場合の直接引張挙動として、表面処理により打継ぎ特性が改善されるほど、AE累積カウント数は増加する。2)打継ぎ表面処理を入念に行うことにより、直接引張強度が向上し、ひずみ1μ当りのAE発生が多くなる。このことから、引張力が打継面のみに集中するのではなく、打継面近傍部全体で引張力に対応していることが推定される。3)表面無処理の場合、モルタルをコンクリート打継ぎの間に挟むことにより、打継ぎ特性が改善されるようである。ただし、表面処理が入念に行われた場合には、モルタルの有無による直接引張強度に与える影響は小さい。4)直接引張試験における打継ぎ破断面は、AE破壊源位置評定により推定できる。
PDFファイル名 012-01-1061.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る