種別 | 論文 |
主題 | 部材表面部コンクリートの密実さに及ぼす影響要因 |
副題 | |
筆頭著者 | 曽根真理(長崎県庁土木部) |
連名者1 | 國島正彦(東京大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 377 |
末尾ページ | 382 |
年度 | 1990 |
要旨 | はじめに 近年コンクリート構造物の耐久性能の低下が問題となっている。コンクリート構造物の主な劣化原因の一つとして鋼材の腐食が挙げられる。コンクリート中の鋼材が腐食反応を起こすためには、水と水酸化物もしくは塩化物が構造物の外から供給されることが必要であるとされている。本研究は、鋼材の腐食にとって有害な、水と塩化物・水酸化物等の物質の鉄筋への到達し易さを、コンクリート中の水分の移動し易さによって評価しようとした。水分の移動し易さを測定するために真空乾燥法を用い、コンクリート部材表面部に着目して、表面からの距離(深さ)による水分の移動し易さの特性を実験的に調べた。また流動性と材料分離抵抗性の大きいハイパフォーマンスコンクリートについても同様の実験を行ないその特性を調べた。 まとめ 本研究は、コンクリート部材表面部付近の密実さを水分の移動し易さに着目し、真空乾燥法を用いて測定した。鋼材の配置が錯綜し、部材断面形状が複雑でコンクリートが行きわたりにくいと考えられるプレストレストコンクリートT桁橋下フランジ部分の実物大供試体を用いた実験結果から、以下に示すことがいえるものと思われる。1)下フランジハンチ上側表面のように、ブリージング水や気泡が残留するおそれのある部分を有する断面形状の部材では、普通コンクリートを、棒状バイブレータを用いて著しい空隙やジャンカがないように締め固めても、表面の密実さは他の部位より相当に小さくなる。2)著しい空隙やジャンカがないように締め固められた部材では、表面から2cm程度内部のかぶりコンクリート部分の密実さは、部材の部位によって大差がない。したがって、部材の隅々までコンクリートを詰めることは当然のことながら極めて重要である。3)試作したハイパフォーマンスコンクリートは、締め固め作業を全く行なわなかったにもかかわらず、部材表面部付近の密実さは普通コンクリートと大差がなくむしろ良好な結果となった。したがって、コンクリートの行きわたりが困難と思われる設計詳細を補償して、密実で耐久性の優れたコンクリート構造物を実現できる可能性のある有望な材料と考えられる。 |
PDFファイル名 | 012-01-1064.pdf |