種別 | 論文 |
主題 | れんがブロックからなる組積プリズムの圧縮強度の発現機構に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 平松道明(近畿大学大学院) |
連名者1 | 村上雅英(近畿大学理工学部) |
連名者2 | 窪田敏行(近畿大学理工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 413 |
末尾ページ | 418 |
年度 | 1990 |
要旨 | はじめに 組積プリズムの圧縮強度を推定するために、数多くの実験研究が行われている。しかしながら、ユニットの形状の多用性や材料強度のばらつきなどの影響が大きいため、理論的な研究は数が少ない。A.A.Hamidらや馬場は、特に、ユニットと目地モルタルの材料特性の違いによるグラウトしてないプリズムの圧縮強度の低下を考慮したプリズム圧縮強度の推定式を提案した。しかし、目地モルタルの強度が十分あり、ユニットがその圧縮強度まで圧縮力を負担できる場合でも、グラウトのポアソン効果による膨張のため、ユニットの割裂破壊によってグラウトとの一体性がなくなり、ユニットの負担圧縮力がその圧縮強度に達しない場合がある。このようなポアソン効果による破壊をとらえる方法として、馬場、千歩らは、ユニットとグラウトの圧縮破壊時の歪の大小関係より、破壊モードを判別して、それぞれの場合を対象とした推定式を弾性並列バネモデルから導き、推定結果が実験結果とほぼ対応することを示した。組積プリズムの圧縮強度を推定するに当たり、ユニットとグラウトの力学的性質の相違、すなわち、破壊寸前でのグラウトの膨張によるユニットのグラウトへの拘束効果は無視できないものと思われる。そこで筆者らは、圧縮破壊時の歪がほぼ同じユニットとグラウトからなる組積プリズムについて比較実験を行い、圧縮破壊する付近ではユニットがグラウトの膨張を拘束しグラウトの圧縮強度が上昇することを、実験的に確認すると共にその理論的裏付けを行ってきた。本研究では、グラウトの膨張とユニットの拘束に注目することにより、圧縮破壊時の歪の異なるユニットとグラウトの組合わせからなる組積プリズムの圧縮強度が素材の累加強度より低くなる原因を解明するとともに、既往の圧縮強度の推定式の妥当性を検討することを目的とする。 まとめ グラウトの圧縮剛性の非線形性、ユニットの拘束によるグラウト圧縮強度の増加、また、プリズムの破壊に及ぼすポアソン効果の影響等を考慮して、グラウトが先に破壊する場合のプリズム圧縮強度の発現機構の解明を試みた。以下に本研究で得られた知見を示す。本実験で用いたプリズムの圧縮強度は式(7)と式(8)でその下限値と上限値を推定することができる。式(7)はグラウトが圧縮強度に達する以前にポアソン効果によりプリズムが破壊するときの推定式であり、式(8)はユニットの拘束力による3軸圧縮状態下でグラウトが圧縮強度に達した時の推定式である。 |
PDFファイル名 | 012-01-1070.pdf |