種別 | 論文 |
主題 | 塗膜によるRC構造物の保護について |
副題 | |
筆頭著者 | 大城武(琉球大学工学部) |
連名者1 | 谷川伸(東亜合成化学工業研究所) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 483 |
末尾ページ | 488 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき 本研究は、亜熱帯海洋性気候下の沖縄県において、海岸に隣接して設置した暴露構造物を対象に、その劣化の過程を解明することを目的としている。本暴露構造物は1984年9月に完成したもので、これまでの研究成果は参考文献1)〜3)に報告している。ここでは1989年12月に行った試験を基に、過去の研究成果を加えて、5年3ヵ月間にわたる経年変化の過程を、塩分濃度分布、自然電位、腐食面積率、及び塗膜の付着力等の試験結果について記述している。 まとめ (1)無塩塗膜部では、5年3ヵ月の暴露期間においても塩分濃度に増加はなく、塗膜の遮塩性が立証できる。また、塗膜施工前の浸透塩分量は施工後平均化される傾向にある。無塩無塗膜部は、外部環境に対応して浸透塩分量が多く、特に海側面においては著しい。このことは、鉄筋コンクリート構造物の耐久性設計において、遮塩対策の必要性を示唆している。有塩塗膜部では、外部からの塩分の侵入は阻止されているが、内部の初期混入塩分が表面方向へ移動する現象が見られ、表面近くで塩分濃度が増加している。また、有塩無塗膜部においては、海側面の塩分濃度が1%にも達し、内部への浸透も著しい。さらに、内部塩分の表面への移動現象も加わり、高濃度の塩分がかぶり部に集中している。このことが鉄筋腐食の主原因となっている。(2)梁及び柱の自然電位は、無塩塗膜部では経年的に大きな変化は認められないが、無塩無塗膜部においては卑に移行している。有塩部は初期値で-400mV〜-500mVになり、その後は大きく変化しない。これらの自然電位の測定結果は鉄筋の腐食面積率と対応し、非破壊試験法としての有効性を示している。(3)柱の補修後では、有塩及び無塩部共に自然電位は貴へ移行し、腐食環境の向上がみられる。(4)本試験で用いているアクリルゴム系の塗膜は、腐食要因の塩分、水及び酸素等の侵入を阻止する効果を示し、腐食面積率が減少している。これらのことから塗膜による鉄筋コンクリート構造物の保護効果を確認できる。 |
PDFファイル名 | 012-01-1082.pdf |