種別 論文
主題 種々のポゾラン材料を使用したコンクリート中の鉄筋の腐食性状
副題
筆頭著者 鳥居和之(金沢大学工学部)
連名者1 川村満紀(金沢大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
1
先頭ページ 489
末尾ページ 494
年度 1990
要旨 まえがき
海洋環境下におかれた鉄筋コンクリート構造物における塩素イオンの浸透性は、かぶりコンクリートの品質によって大きく影響されるので、コンクリートの配合および養生の条件を適切に選択して塩素イオンの浸透しにくい密実な組織を持つコンクリートを作ることが塩害による鉄筋腐食の防止において基本となる。フライアッシュ、高炉スラグ微粉末およびシリカフュームを使用したコンクリートでは、それらの水和反応の過程での密実な内部組織の形成や塩素イオンの固定化現象により、塩素イオンの拡散・透過性が普通セメントコンクリートの場合とは大きく相違することが指摘されている。塩素イオンのコンクリート内部への拡散・透過性は、とくにコンクリート表面部の内部組織と関連して検討すべきであるが、ポゾラン材料の使用によるコンクリート内部への塩素イオンの浸透性の抑制効果およびその抑制機構については不明な点が多いようである。また、ポゾラン材料を使用したコンクリートに埋設された鉄筋の海洋環境下における長期にわたる腐食性状の確認は、実用上非常に貴重なものであるが、必ずしも十分なデータが蓄積されているとは言えない。本研究は、コンクリートの塩素イオン透過性およびコンクリート中の鉄筋の電気化学的測定の結果に基づいて、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末およびシリカフュームを使用したコンクリートの塩素イオン透過性と鉄筋腐食特性との関係について2、3の検討を行ったものである。
まとめ
内部に塩分を含まず、外部からの塩分の浸透のみによる条件下での鉄筋腐食は、かぶりコンクリートの塩素イオン透過性と密接な関係があることが明らかになった。ひびわれの無い健全なコンクリートでは、かぶり2.5cmの位置にある鉄筋が腐食の傾向を示すには150サイクル以上の塩水への浸漬・乾燥の繰返しが必要となった。また、急速塩素イオン透過性試験から求めた塩素イオン透過量の大きい普通セメントコンクリートほど比較的早期に内部の鉄筋が腐食する傾向にあり、本試験法の塩素イオン透過性の迅速な評価法としての有効性が確認できた。フライアッシュ、高炉スラグ微粉末およびシリカフュームを使用したコンクリートは、材令の経過とともに塩素イオン浸透性が大きく低減されるので、同一水-セメント比の普通セメントコンクリートと比較して良好な鉄筋腐食に対する抵抗性が期待できることも明らかになった。
PDFファイル名 012-01-1083.pdf


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