種別 論文
主題 交流インピーダンス法によるコンクリート中の鉄筋腐食モニタリング
副題
筆頭著者 後藤信弘(新日本製鐵第二技術研究所)
連名者1 松岡和巳(新日本製鐵設備技術本部)
連名者2 伊藤叡(新日本製鐵第二技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 527
末尾ページ 532
年度 1990
要旨 はじめに
コンクリート中の電気化学的な鉄筋腐食モニタリング法としては、簡便に腐食発生の可能性を評価できる自然電位法が、フィールドで広く使用されるようになってきている。しかし、自然電位は腐食速度に関する情報を与えるものではないため、鉄筋の腐食を評価する上でこの手法だけでは十分とは言えない。それゆえ、フィールドにおける腐食程度の定量的モニタリング法(交流インピーダンス法、分極低抗法等)の開発が最近活発に行われている。これらの手法をフィールドでの測定に適用する場合、プローブから印加する電流の分布がコンクリート中の鉄筋の幾何学的配置(径・かぶり)及びコンクリートの抵抗・界面インピーダンスにより異なる。このため、大面積の鉄筋において如何に測定面積を限定し、同じ基準(単位面積当りの測定値等)にて構造物相互の評価を可能にするかがこれらの手法における大きな課題の1つになる。この課題に対し、筆者らは鉄筋の測定対象面積を容易に評価し得る2重対極式モニタリング法の開発を行っている。本手法の特徴は、従来の対極(センター対極)とこの周囲に配置したガード対極との2つの対極を用いて鉄筋を分極することにある。ガード対極から印加する電流は、センター対極から流れる電流の拡散を防止する犠牲電流として用い、センター対極から流れる電流だけを計測して限定された面積における情報を得るものである。尚、この手法ではプローブの中央に銀/塩化銀参照電極が設けられており、自然電位の測定も同時にできる。本報では、有限要素法(FEM)による数値解析手法を用いて鉄筋の幾何学的配置・コンクリートの抵抗・界面インピーダンスを変化させ、2重対極方式と1対極方式(対極が1つの3電極法)との特性の差異の検討、及びコンクリート試験体を用いて交流インピーダンス測定を行い、その測定値から両方式における電流分布の差異等を検討したものである。
まとめ
本報では、有限要素法による数値解析および交流インピーダンス測定を行い、2重対極方式と1対極方式との電流分布の差異を検討した結果、以下のことが明らかとなった。(1)2重対極方式の鉄筋腐食モニタリング法は、従来の1対極方式に比べ測定範囲を特定でき、その範囲の分極抵抗を比較的高い精度で測定することが可能である。(2)コンクリート中の分極電流は、鉄筋の周方向にはほとんど広がらず、鉄筋の軸方向に沿ってかなり広がる傾向がある。また、その程度はコンクリートのかぶり、および測定周波数に依存する。
PDFファイル名 012-01-1090.pdf


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