種別 | 論文 |
主題 | 腐食モニタリング測定値に関する一考察 |
副題 | |
筆頭著者 | 田村博(日本建築総合試験所) |
連名者1 | 永山勝(日本建築総合試験所) |
連名者2 | 下澤和幸(日本建築総合試験所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 533 |
末尾ページ | 538 |
年度 | 1990 |
要旨 | はじめに 著者らは、自然電位のみならず、分極抵抗、液抵抗を測定し、これら3つの測定値を用いて、コンクリート中の鉄筋の腐食状況として、腐食の有無のみならず腐食速度をも推定する腐食モニタリング手法(GBRC腐食モニタリング法)を、数年来検討してきている。コンクリート中の鉄筋の腐食モニタリングへの自然電位、分極抵抗といった電気化学的特性値の利用は有効ではあるが、未解決の部分も多く、充分な信頼を得るには至っていないのが現状である。そこで著者らは、基本に立ちかえって、コンクリート表面で得られる自然電位、分極抵抗、液抵抗といったすべての電気化学的特性値の意味を明らかにする必要があるとの見地にたち、同課題を解決するために有効な基礎的実験手法を考案し、コンクリート表面で得られる電気化学的特性値が、等価電気回路を用いて、鉄筋に関する電気化学的特定値とコンクリートに関する電気化学的特性値で表されること(腐食モニタリング基本式)を、明らかにした。さらに、この基本式を用いて、腐食モニタリング測定値の解釈を行おうとすれば、鉄筋の腐食に関する電気化学的特性値のみならず、コンクリートの電気化学的特性値についても詳細な検討が必要である。これまでに実施した、これら電気化学的特性値に関する検討の結果、若干の基礎的なデータが得られている。本報告は、これらのデータと腐食モニタリングに関する基本式を、比較的単純なモデルに適用し、鉄筋の腐食面積・かぶり厚さや鉄筋の長さが、コンクリート表面で得られる自然電位、分極抵抗や液抵抗といった腐食モニタリング測定値に及ぼす影響について検討したものである。 おわりに 鉄筋の腐食面積・かぶり厚さや鉄筋の長さが、自然電位や分極抵抗などの腐食モニタリング測定値に及ぼす影響を、鉄筋ならびにコンクリートに関する電気化学的特性値の実験植と、腐食モニタリングに関する基本式を、比較的単純なモデルに適用して検討した。その結果、腐食モニタリング測定値が、鉄筋の腐食面積のみならず鉄筋のかぶり厚さや鉄筋の長さに影響される状況がコンクリートが飽水状態の場合について、把握された。腐食モニタリング測定値の解釈を精度よく行うためには、鉄筋やコンクリートに関する電気化学的特性値に関する基礎的データの収集が不可欠であるとともに、多様なモデルによる各種の検討が必要である。今後さらに検討を深める予定である。 |
PDFファイル名 | 012-01-1091.pdf |