種別 論文
主題 鉄筋腐食によるひびわれが梁供試体の耐荷性状に及ぼす影響
副題
筆頭著者 中田泰広(北海道開発コンサルタント)
連名者1 丸山久一(長岡技術科学大学建設系)
連名者2 橋本親典(長岡技術科学大学建設系)
連名者3 清水敬二(長岡技術科学大学建設系)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 551
末尾ページ 556
年度 1990
要旨 はじめに
近年、海砂を用いたことに起因するコンクリート構造物の劣化現象が散見されるようになり、原因の解明がなされるとともにさまざまの対策が講じられてきている。問題の顕在化とともに、発錆メカニズム的なことから補修工法に至るまで広範囲にわたり研究が為されているが、ひびわれ性状および耐荷性状について調べた研究は数少なく、いまだ補修基準あるいは構造物の耐久性に関する統一的評価方法は確立されていないのが現状である。そのため、補修や補強による構造物の維持管理の点に着目して、鉄筋の発錆量によるひびわれ幅等が構造物の性状に対しどれほどの影響を与えているかを知り、健全度の評価判定基準を設立する必要がある。既往の研究において、一辺が30cmの立方体供試体を用い、コンクリート表面に現れたひびわれから内部の鉄筋の腐食性状を判断する手法が実験的に検討されている。そこで本研究では、梁供試体を用い、表面ひびわれより内部鉄筋の発錆量を、より正確に推定するモデルを提案するとともに、鉄筋の発錆状況および表面ひびわれが、構造物の耐荷性状に、どのような影響を与えているかについても検討し、劣化度診断法確立のためのステップとするものである。
結論
単鉄筋コンクリート梁供試体におけるひびわれ性状および静的載荷試験、曲げ疲労試験で得られた結論は以下のとおりである。1)かぶり面の縦ひびわれ幅から内部鉄筋の腐食量を推定することは、初期ひびわれ時を考慮することにより、より可能となった。2)静的載荷試験において、縦ひびわれ幅の増大により最大耐力の低下が認められたが、縦ひびわれ幅が1.0mmの場合でも1割程度の低下であった。荷重変形性状においては、鉄筋の腐食が生じていない梁より腐食している梁の方が初期剛性が大きいという傾向が認められた。3)繰り返し載荷試験において、縦ひびわれ幅の増大にともない、負荷レベルの低い範囲において、疲労耐力の低下が顕著にみられた。また、縦ひびわれ幅に関係なく疲労曲げ破壊回数付近で急激な剛性低下および残留変位増加の傾向がみられた、縦ひびわれ幅が耐荷性状に大きな影響を与えていることが認められ、縦ひびわれ幅および負荷レベルが大きいほど顕著である。
PDFファイル名 012-01-1094.pdf


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