種別 論文
主題 鉄筋が腐食した一方向RCスラブの曲げ耐力
副題
筆頭著者 島弘(徳島大学工学部)
連名者1 堤知明(東京電力技術研究所)
連名者2 人江正明(日建設計土木設計事務所)
連名者3 鈴木正敏(日建設計土木設計事務所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 563
末尾ページ 568
年度 1990
要旨 まえがき
本研究は、鉄筋腐食と構造物としての耐荷力の評価方法の提案を行うための基礎実験である。すなわち、鉄筋腐食の程度と構造物の耐荷力との関係を把握することを目的とする。鉄筋が腐食した場合には、健全な構造物に対して、1)鉄筋リブの欠損および鉄筋に沿ったひびわれの発生による付着強度の低下、2)鉄筋断面の減少による鉄筋引張強度の低下、が考えられる。鉄筋の引張強度の低下が構造物の耐荷力を小さくすることは明らかである。しかし、付着強度の低下の併発によって健全な構造物とは異なった破壊形式になる可能性がある。そこで、本研究では、鉄筋の腐食によって、構造物の耐荷力がどのように低下するのかを実験的に調査・検討する。そのために、それぞれの試験体を作製し、電食により鉄筋を腐食させた後に破壊試験を行った。
まとめ
1)供試体端部では横方向の拘束が少ないために、供試体の端に位置する2本の鉄筋の腐食量およびひびわれ幅が、他の鉄筋位置でのものより大きくなる。2)腐食鉄筋の降伏引張強さは、腐食量が大きくなるほど腐食重量から求めた計算値よりも大きく低下する。これは、腐食量が大きくなるほど腐食が局所に集中するためである。3)鉄筋が腐食したスラブの曲げひびわれは、健全なスラブに比べてひびわれ間隔が大きく、本数が少ないことがみられた。これは、鉄筋の腐食によって付着応力が小さくなるためと思われる。4)鉄筋が腐食したスラブの曲げ耐力は、腐食の程度が大きいほど小さくなっている。5)鉄筋が腐食したスラブの破壊モードは、健全な供試体の曲げ破壊に対して、鉄筋が腐食した供試体の一方は同じ曲げ破壊を示したが、他方は付着破壊を起こした。このことから、鉄筋が腐食した構造物では、条件によっては、付着力の低下により健全な構造物では起らない定着破壊が生じる可能性があるといえる。6)鉄筋が腐食したスラブの耐荷力の計算方法として、鉄筋の断面減少量をその供試体中の降伏引張強さのすべてのデータの平均から求めた計算値が、実験結果に最も近くなった。
PDFファイル名 012-01-1096.pdf


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