種別 論文
主題 コンクリート表層部の品質評価に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 月永洋一(八戸工業大学工学部)
連名者1 庄谷征美(八戸工業大学工学部)
連名者2 杉田修一(八戸工業大学工学部)
連名者3 笠井芳夫(日本大学生産工学部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 591
末尾ページ 596
年度 1990
要旨 はじめに
コンクリート構造物の耐久性については、コンクリート表層部の品質が極めて重要であることが認識されており、表層部の品質をどのようにとらえるかが課題となっている。また、品質評価のための試験は、構造物の品質管理や維持管理の立場上、躯体に与える損傷が少なく、広範な部分からの情報収集が可能で、経済性や時間的制約からも簡便に実施できるものが望ましい。筆者らは、コンクリート表層部の品質を、力学的特性と細孔構造や中性化等の物理・化学的特性の二面からとらえようとしており、特に、試験の簡易性を重視して、前者の見地から接着引張強度試験(Pull-off法)および後者の見地から簡易透気性試験(Figg法)について検討を進めている。本報は、海岸地および内陸地の凍害環境下に暴露した種々のコンクリートについて、接着引張強度試験と各種の強度推定を目的とした非破壊試験等および簡易透気性試験とポロシチー試験の結果を対比、検討し、上記二試験による特性値が表層部の品質評価のための指標となり得るかを考察したものである。
まとめ
1年間供試体を暴露し、表層部品質について種々の検討を行なった。結果をまとめると次のとおりである。1)全般に、表層部の強度は増進するが、細孔構造は粗大化する傾向を示す。2)冬期間の気象作用により、表層部の強度発現は停滞する傾向にあり、高炉スラグ(F=4000cm2/g)およびフライアッシュを混和した場合は、この傾向が著しい。3)初期塩分は、強度発現に悪影響を及ぼし、細孔構造の粗大化をもたらすと考えられる。4)シリカフューム、高炉スラグ(F=8000cm2/g)を混和した場合は、高炉スラグ(F=4000cm2/g)、フライアッシュを混和した場合に比べ、強度増進および細孔構造の綴密化など、表層部品質の改善効果がみられる。5)内陸部の場合海岸部に比べ、表層部の強度はやや小さく、簡易透気速度は大きな値を示す傾向にあり、気温・湿度条件の差が影響したものと推察される。6)接着引張強度は、材令、調合および暴露条件による表層部の強度変化を旨く反映でき、性状変化を比較的敏感に捉え得る点で、凍害など表層部劣化の指標として有望である。7)接着引張強度は、圧縮強度と高度に有意な相関を示し、試験は、圧縮強度推定のための局部破壊試験としても有用である。8)簡易透気速度は、ポロシチーと密接な関係があり、組織・構造面からの耐久性判定に関しての一指標たり得ると考えられる。
PDFファイル名 012-01-1101.pdf


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