種別 論文
主題 モンモリロナイト含有骨材とセメントとの鉱物化学的反応
副題
筆頭著者 脇坂安彦(建設省土木研究所)
連名者1 藤原靖(大成建設)
連名者2 前田照信(間組)
連名者3 三谷哲(熊谷組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 739
末尾ページ 744
年度 1990
要旨 はじめに
熱水変質作用や風化作用を受け、モンモリロナイトを含有する岩石がしばしば存在する。これらの岩石を骨材にした場合、骨材試験には合格するものの、凝結硬化速度が早くなるなどの現象が見られ、コンクリート打設時の品質管理が難しい場合がある。これは骨材中のモンモリロナイトが高いイオン交換能を有するため、何らかの化学反応が骨材中のモンモリロナイトとセメントの水和の進行により放出される細孔溶液中の陽イオンとの間に生じることに起因していると考えられる。そこで骨材中のモンモリロナイトと細孔溶液中の陽イオンとの間で生じる現象を解明するために、ブリージング水の化学組成やコンクリート、モルタルの細孔溶液を模擬したセメントミルクの化学組成変化、若材令期のモルタルの細孔溶液の化学組成変化、若材例期のモルタルに浸漬したモンモリロナイト含有骨材の交換性陽イオン組成の変化について検討を行った。またイオン交換処理骨材を用いたモルタルの性質について検討を行った。
まとめ
1)混和剤溶液にモンモリロナイト含有骨材を浸漬し、炭素、水素、窒素量の変化により吸着の有無を検討した結果からは、モンモリロナイト含有骨材は混和剤を吸着しないと考えられる。2)ブリージング水、細孔溶液を模擬したセメントミルク、モルタルの細孔溶液を用いた液相の化学組成の検討結果や骨材の交換性陽イオン組成の分析結果から、モンモリロナイト含有骨材は標準骨材の場合に比較して、液相のカリウムイオン濃度が著しく低く、骨材中のモンモリロナイトと液相のカリウムイオンとイオン交換していることが考えられた。また骨材によっては粗骨材と細骨材とで反応性が違うものがある場合があった。3)骨材中のモンモリロナイトをカリウムイオンで交換した場合、最も凝結硬化が遅くなり、モンモリロナイトとカリウムイオンとの交換反応の抑制が凝結硬化の遅延に効果的であり、原理的にはモンモリロナイトによる凝結硬化の早まりを防止することが可能であると考えられた。
PDFファイル名 012-01-1126.pdf


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