種別 論文
主題 大型供試体によるアルカリ骨材反応の劣化特性
副題
筆頭著者 立屋敷久志(三菱鉱業セメント中央研究所)
連名者1 窪山潔(三菱鉱業セメント中央研究所)
連名者2 高田潤(鉄道総合技術研究所)
連名者3 中村亨(鉄道総合技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 801
末尾ページ 806
年度 1990
要旨 はじめに
現在、日本においてもアルカリ骨材反応(以後AARと記す)の研究が、数多く行われるようにようになって、骨材の反応性、反応に及ぼす要因、AARによるコンクリート劣化特性などに関し多数の知見が得られている。しかし、AARに関する研究では、モルタルや小型供試体で行われる例が多く、得られた知見が実構造物の劣化特性に対応しない場合も多い。そこで、本報告では、実構造物を模擬した無筋及び鉄筋構造の大型供試体を作製し、鉄筋による拘束の有無によって、1)ひずみ特性の違い、2)コンクリート表面と内部のひずみ特性の違い、3)ひびわれ特性、4)物理的性状の違いについて検討する。また、本試験で得られた知見を実構造物の劣化状況に対応させ比較検討する。さらには、今後の実構造物劣化調査に対して、いくつかの指標を提案することを目的とする。尚、試験は反応性骨材として火山岩系と堆積岩系のそれぞれについて実施しているが、本報告では、反応の速い火山岩系に限って検討した。
まとめ
本試験では、大型供試体を用いて実構造物レベルでのAARによる劣化特性を明らかにした。以下、得られた知見をまとめる。1)無筋構造の表面ひずみは、端部に比べ中央部分が大きい。鉄筋構造では、逆に中央部分のひずみが小さい傾向を示すが、測定位置に方向性のあるひびわれが発生すると、無筋構造同様、中央部分の表面ひずみが大きくなるケースがある。2)無筋構造では、内部ひずみと表面ひずみは等しく、鉄筋構造では、内部ひずみは表面ひずみの50%程度である。3)無筋及び鉄筋構造の両者とも、表面ひずみとひびわれ密度には正の相関がある。4)AARによって劣化したコンクリートの静弾性係数は著しく低下する。5)以上のことから、実構造物の調査において、AARによる劣化が進行しているか否かを合理的に判断する手法としては、ひびわれ密度の経時的測定が有効であり、劣化程度の判断には、静弾性係数の低下率を求めることが有効である。
PDFファイル名 012-01-1137.pdf


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