種別 | 論文 |
主題 | 寒中マスコンクリートを対象とした強度管理方法の研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 岸本均(前田建設工業超高層開発室) |
連名者1 | 江口清(前田建設工業技術研究所) |
連名者2 | 中込昭(前田建設工業技術研究所) |
連名者3 | 鎌田英治(北海道大学工学部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 867 |
末尾ページ | 872 |
年度 | 1990 |
要旨 | はじめに 近年、鉄筋コンクリート造(RC造)建築物はより高層化が進められ、それに伴い構造体基礎部分の耐圧盤・地中梁がマスコンクリートとなる事例が増加している。当社でも昨年10月より札幌で高層RC住宅(地下1階、地上21階、設計基準強度(Fc)=270〜360kgf/cm2)の建設に着手し、地下の耐圧盤・地中梁にFc=300kgf/cm2のコンクリートを使用した。地下部分のく体工事が寒中コンクリートの適用時期に当たることから、工事着工前の寒中時に実大施工実験を行い、高強度コンクリートを用いた寒中コンクリートおよび寒中マスコンクリートに関する種々の検討を行った。本報は、それらの実験のなかの特に寒中マスコンクリートの強度管理について検討した結果を報告するものである。マスコンクリートの構造体強度推定のための管理用供試体養生方法は、構造体と同じ温度履歴の養生とすることが困難なため、現状では標準養生とするのが一般的である。また、構造体強度は標準養生した供試体のいわゆるポテンシャル強度をもとに、予想断面平均養生温度により設定した強度補正値と実測した養生温度を考慮して推定している。しかし、マスコンクリートは材令初期に非定常な高温履歴を受けるため、構造体内部の養生温度を定常な平均温度として扱い、強度補正値を設定することが妥当であるか疑問であり、標準養生供試体強度から構造体強度を推定する方法の妥当性には不安が残る。そこで本報では、構造体内部の温度を比較的容易に追従することのできる装置を考案し、構造体内部の温度履歴に追従させた供試体強度により、構造体強度を標準養生供試体強度から推定するのではなく、直接供試体の圧縮強度で判断できる最適な養生方法を提案するとともに、材令初期に高温履歴を受ける場合の強度補正値に関するひとつの考え方をも提案した。 まとめ (1)マスコンクリートの構造体強度の推定は、強度判定するうえで安全側となる中心部温度追従封かん養生強度で行うことが適当である。(2)マスコンクリートの調合強度を定める際には、材令初期に50℃を超える高温履歴を受けると予想される場合、強度補正値の割増し(“逆温度補正”)を考慮する必要がある。 |
PDFファイル名 | 012-01-1150.pdf |