種別 論文
主題 液体窒素によるコンクリートのプレクーリングに関する研究
副題
筆頭著者 丸屋剛(大成建設技術研究所)
連名者1 大友健(大成建設技術研究所)
連名者2 松岡康訓(大成建設技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 907
末尾ページ 912
年度 1990
要旨 はじめに
マスコンクリート構造物における温度ひびわれを制御する方法としては、コンクリートの打設温度を低下させるプレクーリングが有効であり、現在では練りまぜ水に冷水や氷を用いる方法、各構成材料を冷水などで冷却する方法等が一般に用いられている。アメリカなどで既に実用化されている液体窒素によるコンクリートのプレクーリングに関しては、その大きな冷却効果から我が国でも研究開発が盛んに行われており、実構造物への適用も始まっている。この液体窒素による冷却方法には、細骨材などの各構成材料を冷却する方法、コンクリートミキサ内で練りまぜ中のコンクリートを冷却する方法、生コン車内で練りまぜ後のコンクリートを冷却する方法等がある。本研究では、液体窒素により練りまぜ中のコンクリートを直接冷却する方法について、液体窒素による冷却がフレッシュコンクリートおよび硬化コンクリートの品質に及ぼす影響を室内実験で確認し、さらに、本方法をプレクーリングシステムとして確立するために1m3ミキサを供えた実機プラントにより実証実験を行った。
まとめ
本研究により、練りまぜ中のコンクリートを液体窒素で直接冷却するプレクーリング方法に関して、以下の7項目が明らかとなった。(1)液体窒素による練りまぜ中のコンクリートの冷却により、スランプは低下し、圧縮強度は増加する。これは、液体窒素投入による水分の減少による。(2)液体窒素投入量の増加に伴いスランプは低下し、圧縮強度は増加する。また、冷却原単位は液体窒素投入量に関わりなくほぼ一定であることから、液体窒素投入量により冷却温度を容易に制御できる。(3)単位水量を補正することにより、液体窒素投入によるコンクリートの品質変化を抑制することが可能であり、品質維持に必要な単位水量の補正量は、コンクリートの含水率の測定とスランプ維持の確認により可能である。また、冷却原単位は単位水量の影響を受けない。(4)液体窒素の冷却により、温度上昇試験における最高上昇温度が低下し、最高温度に達する時間も延長する。(5)液体窒素による冷却コンクリートは未冷却のコンクリートと同等の凍結融解作用に対する抵抗性を有する。(6)液体窒素投入量、単位水量の増加がコンクリートの品質および冷却効率に及ぼす影響について、1m3のミキサを備えた実機による実証実験においても室内実験とほぼ同等の結果が得られた。(7)液体窒素によるプレクーリングシステムとしては、システムの冷却に消費される液体窒素量を最小限にすることが今後の課題である。
PDFファイル名 012-01-1157.pdf


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