種別 論文
主題 セメントフィラー使用アスファルト乳剤コンクリートの強度発現
副題
筆頭著者 田代忠一(山口大学工学部)
連名者1 上田満(山口大学工業短期大学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
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先頭ページ 931
末尾ページ 936
年度 1990
要旨 まえがき
アスファルト乳剤を使用した安定処理工法は道路の上層路盤によく使用されている。また、路上再生路盤工法(破壊した既設舗装の表層及び路盤を現位置にて破砕、安定処理し新しい路盤に再生する)などにも使用されている。このようにアスファルト乳剤の適用範囲は路盤が主であり、表層、基層等への利用は今後の課題とされている。半たわみ性舗装(空隙率の大きいアスファルト混合物にセメントミルクを注入・浸透させ、剛性を高めた舗装)の施工が全国各地で行われていることを考慮し、筆者らはアスファルトとセメントの複合材料的なものとして、フィラーにセメントを使用したアスファルト乳剤コンクリートの基礎的な実験を試みた。すなわちフィラーとしてセメントを使用した場合、アスファルト乳剤中の水とセメントが水和反応を起こし混合物の圧縮強度の増加並びに早期強度発現が見込まれるものと思われる。このようなことは、舗装廃材の再利用の際にセメントを添加して行われることがあるが、これらの圧縮強度発現の基礎的な検討を試みた例は少ない。本研究はそれらを明らかにするために、セメントフィラー使用アスファルト乳剤コンクリートの一軸圧縮強度試験を試みた。その結果、一軸圧縮強度の増加は石粉をフィラーとして使用した場合の3〜4倍もの圧縮強度が得られ、特に水浸養生の場合においては顕著な効果を得た。この強度発現に影響すると思われる実験要素の検討等も行ったので以下にその概要について報告するものである。
まとめ
本実験から以下の結果を得る。(1)セメントフィラーを使用したアスファルト乳剤コンクリートは、水浸の場合フィラーに石粉を使用した場合に比べて一軸圧縮強度は3〜4倍となる。(2)石粉をフィラーとして乳剤を使用した場合には混合物の中の水が蒸発し、蒸発率が40〜50%程度にならないと強度が見込まれないため、養生期間がある程度、長期間必要となるが、セメントをフィラーとして使用すると、セメントが混合物中の水と水和反応を起こしアスファルトと骨材との付着を早め、早期に強度が発現するものと思われる。(3)水浸養生の場合一軸圧縮強度は、非水浸の場合の1.5〜2.0倍で全骨材中のセメント量22.8%付近の配合で一軸圧縮強度は大となる。(4)養生期間が長くなるに従い、圧縮強度は増大し、乳剤量は混合可能な最低限度の乳剤量で行うのがよい。(5)応力-ひずみ曲線については石粉使用の場合に比べセメントフィラー使用の場合が曲線の勾配が急である。また、面積比と圧縮強度の関係においては、面積比の減少とともに圧縮強度も大となり、近似的に直線的な傾向を示す。(6)微細構造については、セメントの水和により、水和物が生成され、アスファルトとの付着が良好になる。(7)蒸発性水分量は非水浸の場合は、1.0〜1.5%で養生期間に関係なくほとんど一定であるが、水浸の揚合3.5〜10%までばらつきがある。
PDFファイル名 012-01-1161.pdf


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