種別 論文
主題 もしゃ織り成形のピッチ系炭素繊維ネットで補強したモルタルの引張特性
副題
筆頭著者 南英明(九州大学大学院)
連名者1 牧角龍憲(九州大学工学部)
連名者2 岡田慎一郎(大阪ガス)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
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先頭ページ 1037
末尾ページ 1042
年度 1990
要旨 まえがき
炭素繊維等の新素材は、軽量で比強度・比弾性係数が高くかつ耐久性にも優れた素材であり、建設材料とくにコンクリート部材の補強材としての可能性を有する素材である。しかしながら、それらをコンクリート補強材としてそのまま用いる場合には、コンクリートと繊維間ですべりが生じ、各繊維の破断強度に至らしめるまでの十分な定着を得ることができないことが報告されている。そのため、新素材をより線、組紐、ネット状もしくは3次元織物などに成形することで、各素材の素線強度を効率よく用いるための付着特性の改善が試みられている。その一方法として著者らは、炭素繊維をネット状(以降、ネットと呼ぶ)に成形することで、ネット横線による機械的定着効果が確実に得られる方法について一連の研究を行っている。本研究では、コンクリート補強材に適すると考えられるネットの成形方法の中からもしゃ織りしたネット状補強材について、成形品の状態での引張り特性を把握するために、炭素繊維ネットで補強した薄肉平板モルタルならびに炭素繊維積層板の各引張試験を行い、もしゃ織りで成形したネットの補強効率について検討した。その結果、いずれの供試体についても十分な定着効果(繊維破断)が得られており、これらの引張強度についても炭素繊維積層板強度と比較して差異は認められなかった。
まとめ
本研究の範囲で得られた結果をまとめるとつぎのようになる。(1)補強モルタルの破壊形式は、縦線のすり抜けを伴わない繊維の破断であった。それらの強度は、0°積層板強度に対して0.8〜1.0の範囲内であった。すなわち、もしゃ織りで成形したネットは、炭素繊維の力学特性を十分活用できる定着効果を有していることが認められる。これらのことから、炭素繊維積層板とネットの引張強度は、ほぼ同等とみなすことができ、積層板強度からネットの終局耐力の推定ができる。(2)各供試体とも炭素繊維積層板の応力-ひずみ関係に近似した性状が認められた。(3)ネット補強枚数すなわち補強繊維量を変化させても、炭素繊維断面積比Pf-引張強度の関係は、線形性が保たれる。(4)ビニロンなどの比較的安価な素材をネット横線に適用することは可能である。
PDFファイル名 012-01-1180.pdf


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