種別 論文
主題 組紐状AFRPロッドを用いた実大PRC梁の曲げ性状
副題
筆頭著者 谷垣正治(三井建設)
連名者1 野村設郎(東京理科大学)
連名者2 岡本直(三井建設)
連名者3 遠藤克彦(三井建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1093
末尾ページ 1098
年度 1990
要旨 はじめに
筆者らはこれまでに、組紐状にしたアラミド繊維棒材を主筋および緊張材として用いたプレテンションおよびポストテンション梁の曲げ破壊試験、長期載荷試験を実施し、このような連続状繊維を長期荷重を受けるコンクリート梁の補強筋として用いるための研究を行ってきた。連続状繊維材のコンクリート補強に関する研究は、近年益々盛んに行なわれるようになり、繊維補強材の構造材料としての適用可能性が明らかにされる一方で、実用化に向けて、繊維補強コンクリート部材の設計法に関する検討もなされ始めている。そこで本論では、まず、限界状態設計法に従って、連続状繊維補強コンクリート梁の特徴を考慮した長期荷重に対する曲げ設計法を提案し、ついで、この設計法を用いて、実大のPRC梁を設計・製作し、曲げ破壊試験および長期載荷試験を行なって、設計手法の妥当性と実用化の可能性について検討した。
まとめ
限界状態設計法を用いた繊維補強プレストレストコンクリート梁の曲げ設計手法を提案し、それによって設計した実大PRC梁の曲げ破壊試験および長期載荷試験を行った。設計に際しての基本的な考え方および実験により得られた結果を以下にまとめる。(1)一般に高強度低弾性率の材料である程、補強量を増して梁の剛性を高めるよりもプレストレス力を大きくした方が変形抑制効果に対する材料の利用効率は高いと考えられるので、ここでは長期たわみを抑制する方法としてプレストレスを導入する方法を採った。(2)繊維補強プレストレストコンクリート梁では、破壊形式としてコンクリートの圧壊、緊張材の破断、主筋の破断の3通りがあるが、終局限界状態設計において曲げ破壊耐力に対する安全率を決定する際には、それぞれの破壊形式による曲げ耐力分布の相違を考慮する必要がある。(3)繊維補強コンクリート梁では変形が増加すれば耐力も増大するので、長期荷重を対象とした場合でも、終局変位を設計の基準値に用いることができる。破壊時のたわみを目視できる程度確保しておけば、使用者に破壊の前兆を認知させることも可能である。(4)曲げ破壊試験より、本実大梁が設計時に想定した部材耐力・変形能力を有していることが確認された。(5)使用限界状態設計荷重作用下でのたわみは、800時間経過後で弾性たわみの2.5倍程度であり、プレストレスによるたわみ抑制効果が見られた。また、計算結果によれば、乾燥収縮ひずみの長期たわみへの影響は大きい。したがって、プレストレス力および乾燥収縮を調整することによって、長期たわみはコントロールできるものと考えられる。以上より、長期荷重に対して、限界状態における安全性、機能性の判断基準値が設定されていれば、このような繊維補強材を用いて要求機能を満足できるような梁部材を十分設計することが可能であると考えられる。
PDFファイル名 012-01-1191.pdf


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