種別 論文
主題 CFRPロッドを用いたPCはりの繰返し載荷による付着性状に関する一実験
副題
筆頭著者 丸山武彦(日本コンクリート工業)
連名者1 本間雅人(日本コンクリート工業)
連名者2 小沢一雅(東京大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1147
末尾ページ 1152
年度 1990
要旨 はじめに
異形化した各種のFRPロッドは、異形鉄筋もしくはPC鋼より線と同等の付着強度を有することが、既に報告されている。しかし、繰返し荷重が作用した場合のFRPロッドとコンクリートとの付着力の変化を検討した資料がないこと、ロッドに2次的に繊維束を巻付けて異形化したFRPロッドの付着破壊は異形部とロッドのはく離による場合が多いことなどから、FRPロッドの付着疲労に関して不安が残る。そこで本実験では、CFRPストランドと巻付け型CFRPロッドを緊張材に用いたPCはりの繰返し曲げ試験を行い、FRPロッドとコンクリートとの付着性状の変化、PCはりの曲げ疲労特性などについて検討した。
まとめ
CFRPロッドを緊張材とするPCはりを用いて繰返し曲げ試験を行った結果、実験の範囲内で次のことがいえる。(1)上限荷重をひびわれ発生荷重として120万回程度、さらに上限荷重を設計破壊荷重の約60%として20〜115万回の繰返し載荷を行った後のPCはりの静的曲げ強度は計算値とほぼ一致した。(2)上限荷重をひびわれ発生荷重とする場合は、等曲げ区間のひびわれが主に増大し、破壊荷重の約60%を上限荷重とする場合は、せん断スパン内の斜めひびわれの発達が卓越した。(3)ひびわれ発生荷重をこえる合計約140〜230万回の繰返し載荷を行った後、PCはりの剛性は若干低下したが、曲げ性状に大きな変化は見られなかった。4)CFRPストランドおよび巻付け型CFRPロッドを用いた場合、ひびわれ荷重を上限とする繰返し約120万回において、ロッドの付着力が低下したと考えられる明確な徴候は見られなかった。しかし、破壊荷重の約60%を上限とする場合はストランドのひずみ分布が一様化する傾向が見られたが、その原因は明確にできなかった。(5)以上からは、繰返し載荷によってFRPロッドの付着疲労が生じる可能性は否定できないが、部分的に付着の劣化が生じたとしても部材の耐力が大きく低下するとは考えられない。しかし、アンボンド化が進むと変形が増加し、コンクリートの圧縮域が小さくなるため、付着の劣化に関する資料が十分蓄積されるまでの間はフルプレストレスで設計することが望ましいと考えられる。
PDFファイル名 012-01-1200.pdf


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