種別 論文
主題 炭素繊維補強コンクリートの衝撃・掃流作用に対する摩耗特性
副題
筆頭著者 豊福俊英(香川大学)
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キーワード
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先頭ページ 1245
末尾ページ 1250
年度 1990
要旨 はじめに
水路構造物の侵食(エロージョン)にはキャビテーション、摩耗、バクテリアによる侵食等がある。特に、河川増水時の土石流の繰り返しや衝突による摩耗を受ける用水路のように、表面に外力が繰り返し作用するコンクリート水路構造物では、強度と共に摩耗に対する抵抗性が重要である。しかし、このような摩耗のメカニズムは極めて複雑で、その評価方法について確立されていない現状である。これまでコンクリート水路構造物の摩耗について我が国では、大浜、村野、奥田、石橘、及び杉田らの研究が、また衝撃摩耗について小柳らの研究が報告されている。これらの研究によれば、衝撃・摩耗について、コンクリートの水セメント比、コンクリート強度、骨材の品質、コンクリートの表面性状、繊維補強及び養生条件(水中・大気中)などが大きく影響することが指摘されている。そのなかで、繊維補強コンクリートの衝撃・摩耗に関してわが国では、杉田らは鋼繊維及びポリエチレン繊維補強コンクリートについてまた小柳らは鋼繊維補強コンクリートについての研究がある。本報告は炭素繊維補強コンクリートに作用する磨耗現象を、表面に力が平行に作用する擦り磨き摩耗と、表面に力がほぼ直角に作用する衝撃摩耗とに分けて実験的に検討したものである。
まとめ
本研究の試験の範囲で得られた結果をまとめると次の通りである。(1)強度試験結果 炭素繊維を混入したコンクリートにおいて、圧縮強度は繊維の混入によって改善できなかったが、曲げ及び引張強度は繊維の混入によって改善できる。特に曲げ強度において、繊維を1.0%混入したものは、混入してないものと比較して、85%の強度の増加を示した。(2)擦り磨き摩耗試験結果 炭素繊維混入量が0.5%程度ではその補強効果が殊ど認められず、1.0%程度以上の繊維の混入が必要と思われる。擦り磨き摩耗は、最初に表面のモルタル部分の摩耗のため摩耗量が多いが、その後すりへり時間にほぼ比例して摩耗する傾向が認められた。(3)衝撃摩耗試験結果 衝撃摩耗に対して、炭素繊維混入量にほぼ逆比例して衝撃摩耗量は減少し、その補強効果が認められた。いずれの場合も衝撃摩耗は衝撃繰り返し回数にほぼ比例して摩耗量は増加する。
PDFファイル名 012-01-1217.pdf


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