種別 論文
主題 混合構造におけるRCプレキャスト柱に関する実験的研究
副題
筆頭著者 佐々木仁(フジタ工業)
連名者1 三瓶昭彦(フジタ工業)
連名者2 吉野次彦(フジタ工業)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 53
末尾ページ 58
年度 1990
要旨 はじめに
最近、建設労務事情はますます悪化する傾向にあり、建物の施工法においては、プレキャスト部材を使用した工法が多くなってきた。一方、構造形式においては従来のように単一の構造部材で建物を構成するのではなく、鉄骨(S)造、鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造などの長所を組み合わせた混合構造によって、より合理的、経済的な設計が行なわれるようになってきた。筆者らはその中で、柱RC造、梁S造の混合構造形式を基本とし、柱をプレキャスト化した省力化工法の開発を行なっている。このような混合構造においては、地震時における柱・梁接合部での応力伝達機構、柱のプレキャスト化にともなうジョイント部の力学的性能など不明解な問題が生じる。柱RC・梁Sとする柱・梁接合部に関する既往の実験研究でも、単に梁鉄骨を貫通させた柱・梁接合部は、SRC造の柱のように柱に鉄骨が埋め込まれたものに比べて性能的に劣ることが報告されている。そこで、著者等は、梁から柱への応力伝達を円滑に行う方法として(1)床厚さ程度の幅の鉄骨バンドプレートで柱頭、柱脚部の周囲を拘束して、梁鉄骨からRC柱へ応力を伝達する方法、(2)柱頭、柱脚部のみに鉄骨(または鋼管)を埋め込みそのフランジ面の支圧力で伝達する方法の2通りを考案した。本報告は、柱RC、梁Sより成る混合構造におけるRCプレキャスト柱に関するものであり、考案したディテールが柱部材の耐力、履歴性状に及ぼす影響について実験的に検討したものである。併せて、柱端部に鉄骨を埋め込んだ試験体に関しては、SRC柱としての性能を有しているかどうかについても検討を加えた。
まとめ
本実験によって以下のような結論を得た。(1)柱頭、柱脚部にバンドプレ一トを取りつけても曲げ圧縮域のコンクリートの圧壊を早めるようなことはなく、バンドプレートの無い通常のRC柱として評価できる。また、繰返しによる耐力低下は見られず、良好な履歴性状が得られた。(2)シアスパン比2程度の柱であれば柱頭、柱脚のみにH形鋼を埋め込んだ場合、埋め込み長さが鉄骨せいの2倍程度であれば、柱端部はSRC断面として評価できると共に良好な履歴性状が得られた。(3)スタブ(梁)が鉄骨の場合、曲げ圧縮域におけるコンクリートの拘束が小さく、スタブ内にひび割れが進展し、一般的なRC造柱とは多少異なるひび割れ性状を示した。
PDFファイル名 012-01-2007.pdf


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