種別 | 論文 |
主題 | ボックスジベルのせん断疲労強度に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 松下博通(九州共立大学) |
連名者1 | 久野公徳(ピー・エス・コンクリート) |
連名者2 | 高取広(ピー・エス・コンクリート) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 2 |
先頭ページ | 101 |
末尾ページ | 106 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき 既設鋼道路橋の床版コンクリートの損傷、劣化に対する補修補強工法として、プレキャストコンクリート床版を用いた全面打ち替え工法がある。この工法では、プレキャストコンクリート床版と鋼桁との結合方法として、ボルト締めやバネ締結法によるのが多いが、不陸調整に多くの労を要する。著者等は、ネジ式によって不陸調整ができ、鋼桁とプレキャストコンクリート床版との結合は溶接によるとしたボックスジベルを開発し、その性能や合成効果について検討した結果、静的荷重に対しては十分な合成効果を有することを報告した。しかし、ボックスジベルを用いる場合、締結ボルトによる場合と比較して、せん断力の伝達が複雑であり、しかも、ジベル断面に等せん断応力として作用しないなど、局部的な応力集中があること、鋼桁との接合方法が溶接によることなどにより、繰返し荷重による破壊に対する安全性が重要であり、この点について検討しなければならない。このため、本研究は、押し抜きせん断タイプのモデル供試体により、ボックスジベルの静的せん断試験および疲労試験を実施し、最大耐力、使用性および疲労破壊に対する限界状態におけるせん断耐力あるいはせん断強度を明らかにしようとしたものである。 まとめ ボックスジベルを用いた押し抜きせん断タイプの供試体により、静的載荷試験および疲労試験を実施した結果を要約すると、次のとおりである。(1)静的なせん断試験により、ボックスジベルは、一本当たりのせん断力Sが31tf(平均せん断応力度τs=2150kgf/cm2)で、溶接部近傍の、ジベル自身のずれせん断により破壊する。(2)静的載荷による荷重−ずれ曲線の挙動は、Sが10tf(τs=700kgf/cm2)までは、ほぼ弾性的な挙動を示す。また、S=20tf(τs=1400kgf/cm2)以上では、載荷時のずれ量が、除荷してもそのまま残留し、ずれ量が急激に増大する。このことより、ボックスジベルの弾性限界はS=10tf(τs=700kgf/cm2)、ずれ限界はS=20tf(τs=1400kgf/cm2)程度と考えられる。(3)せん断疲労試験による繰返し回数−ずれ曲線より、繰返し荷重によるずれ量の変化は、残留ずれ量の増大によることが示された。また、繰返し回数比70%までのずれ速度は一定で、この時のずれ速度と疲労寿命は相関性がある。(4)疲労破壊形式は、静的破壊形式と同様に、ボックスジベルの溶接部近傍のずれせん断破壊であった。ボックスジベル一本当たりの200万回最大疲労耐力は、繰り返し荷重の最小荷重が10%の時、最大疲労耐力で10.5tf、疫労振幅耐力で7.4tf(200万回疲労振幅強度で510kgf/cm2)である。構造的に、合成効果からずれ量が制限される時には、ボックスジベル一本当たりの200万回最大疲労耐力を9.9tf、疲労振幅耐力で6.8tf(200万回疲労振幅強度で470kgf/cm2)程度まで低減すればよい。 |
PDFファイル名 | 012-01-2015.pdf |