種別 | 論文 |
主題 | グラウトの付着性能を考慮したPRCはりの曲げ性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者1 | 岩井稔(鹿島建設) |
連名者2 | 奥泉貴朗(群馬大学) |
連名者3 | 橋本親典(群馬大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 2 |
先頭ページ | 161 |
末尾ページ | 166 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき コンクリートの硬化後にプレストレスを導入するポストテンション方式のPRCはりは、PC鋼材がシースの中に配置され、緻密なセメントペーストによってグラウトされることにより防食されている。また、グラウトによりPC鋼材と周囲のコンクリートとが一体化されているために、PRCはりの構造設計においては、平面保持を仮定した計算が行われている。このようにPRCはりにとってきわめて重要な部分を占めるグラウトも、施工上に欠陥のある場合、あるいは、外力による緊張材の初期緊張ひずみからのひずみ増加量が過大となる場合等においては、十分な付着性を満たさない場合も考えられる。本研究では、ポストテンション方式によりプレストレスを導入したPRCはりにおいて、PC鋼棒の緊張レベルを低レベルから高レベルまで変化させた場合に、PC鋼棒とグラウトとの付着性能がPRCはりの曲げ性状に及ぼす影響を、解析値と実測値を比較することにより検討するものである。そして、PRCはりの曲げ性状をより改善するために、機械的プレストレスだけでなく、膨張コンクリートを用いてケミカルプレストレスを導入したはりについても検討を行った。 結論 ポストテンション方式によりプレストレスを導入したPRCはりにおけるPC鋼棒とグラウトとの付着性能を、はり供試体の載荷試験を行うとともに、PC鋼棒の付着の有無を考慮した解析結果と比較することにより検討した。本研究の範囲内で次のことがいえる。(1)PC鋼棒とグラウトとの付着低下は、断面内のプレストレスが小さいほど小さな外力モーメントによって生じ、プレストレスが極端に小さいと、曲げひびわれが発生する以前の荷重段階においても生じる場合のあることが認められた。(2)PC鋼棒とグラウトとの付着低下が生じるときの外力モーメントは、膨張コンクリートを用いてケミカルプレストレスを導入することにより、機械的プレストレスのみを導入したはりよりも、大きくすることができると思われる。この傾向は、緊張レベルの低いはりほど顕著であり、FRPロッドなどのように、破壊までのひずみ増加量が大きい緊張材を用いた場合に、付着低下モーメントを大きくすることができる可能性を示唆するものである。 |
PDFファイル名 | 012-01-2025.pdf |