種別 論文
主題 遠心成形プレキャストコンクリート柱の曲げせん断実験
副題
筆頭著者 増田安彦(大林組)
連名者1 吉岡研三(大林組)
連名者2 脇坂達也(大林組)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 351
末尾ページ 356
年度 1990
要旨 はじめに
近年、建設労働者の不足や高齢化が深刻な問題となっており、建築工事の省力化、プレキャスト化が急務とされている。このような背景から、ヒューム管などのように遠心力を応用してコンクリートを締め固める成形方法を用いて、フープ筋や中子などを打ち込んだ、薄肉中空角型プレキャストコンクリート管(以後PCa管と呼ぶ)を開発し、これを柱型枠兼用の構造部材として使用する工法を考案した。PCa管の使用によって、柱の型枠工事、柱フープ筋の配筋が省略されるなど様々なメリットが得られるが、その使用にあたっては、現場施工による内部充填コンクリートとPCa管との一体性や部材の耐力などの諸性状について、十分な検討が必要となる。本論文は、PCa管を使用した柱部材の実大および小型試験体の曲げせん断加力実験を実施し、その諸性状を、在来工法による一体打ち柱部材と比較した結果について述べたものである。
まとめ
遠心成形による薄肉角型プレキャストコンクリート管(PCa管)を、型枠兼用部材として使用した、半プレキャスト柱部材の曲げせん断加力実験によって以下に示す結果が得られた。(1)実大試験体の曲げせん断実験において、主筋曲げ降伏型の半プレキャスト柱部材は、PCa管の種類にかかわらず、一体打ち部材と比べて、荷重−変位関係、弾性剛性、主筋降伏荷重において同様の性状を示した。一方、試験体のひびわれ状況は、かぶりコンクリートの一部にPCa管を使用した(Bタイプ)試験体に、主筋降伏後ひびわれが一か所に集中する現象が見られたが、フープ筋などを打ち込んだPCa管(Aタイプ)を使用した試験体のひびわれ状況は、一体打ち試験体のそれと大差なく、内外コンクリートの一体性はおおむね良好であった。(2)せん断破壊型の半プレキャスト柱部材の実験結果より、AタイプPCa管を使用した部材の方が、PCa管コンクリートが高強度なため、従来の一体打ち部材よりも、せん断耐力に優れることが分かった。(3)軸力を加えた小型試験体の曲げせん断実験において、AタイプPCa管を使用した試験体は、PCa管コンクリートの強度の影響によって、一体打ち試験体よりも最大耐力が高く、弾性剛性も高くなる結果が得られた。一方、主筋の座屈性状は、両者ほとんど同様であった。BタイプPCa管を使用した試験体では、弾性剛性、降伏荷重はやや高くなるが、ワイヤーメッシュが破断すると、その後の耐力の上昇は望めないことが分かった。また、各試験体のひびわれ状況は軸力のない試験体と同様の傾向が見られた。
PDFファイル名 012-01-2058.pdf


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