種別 論文
主題 13000キロ級の高強度せん断補強筋を用いたRC柱の終局せん断耐力
副題
筆頭著者 塚本尚由(佐藤工業)
連名者1 中澤淳(川鉄テクノワイヤ)
連名者2 倉本洋(鴻池組)
連名者3 南宏一(大阪工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 369
末尾ページ 374
年度 1990
要旨
鉄筋コンクリート(以下、RCと略記)部材のせん断補強筋として高強度鋼を使用するメリットは、普通強度鋼を使用した場合に比較して、そのせん断補強効果を低下させることなく補強筋量を低減できるところにある。特に、普通強度鋼に対して算出されるせん断補強筋量が、施工上配筋困難な量となる場合、高強度鋼の使用は極めて有効である。しかし一方では、13000キロ級の高強度せん断補強筋を使用したRC柱のせん断破壊性状に関する研究等によって、そのような柱の終局せん断強度時にはせん断補強筋が降伏に至らず、せん断圧縮破壊が先行することが報告されている。また、現行の規準あるいは指針によるせん断設計法でも、せん断強度式に用いる高強度せん断補強筋の設計基準強度はその降伏強度に対してかなり低めの値が採用されている場合が多く、高強度せん断補強筋を使用したRC部材のせん断設計は、普通強度鋼を使用したものと比較してかなり安全側の設計となることも少なくないと考えられる。従って、高強度鋼をRC部材のせん断補強筋としてより効果的、かつ経済的に活用するためには、部材の終局強度時にせん断補強筋が採り得る引張応力度を定量的に評価することが重要である。そこで本論では、降伏応力度が13000キロ程度の高強度せん断補強筋を使用したRC柱の終局せん断耐力およびせん断破壊性状に対して、せん断補強筋比、柱長さ比および作用軸力等が及ぼす影響を調べた実験に基づいて、特に、(1)実験結果に対する既往の終局せん断耐力評価式の適合性の確認、および(2)最大耐力時にせん断補強筋が採り得る引張応力度の評価に重点をおいて検討する。
結論
13000キロ級の高強度せん断補強筋を使用した鉄筋コンクリート柱の最大強度時におけるせん断補強筋の平均応力度σ'は、修正南式においてその上限値として与えられている400√Fcによって概ね評価できる。しかし、σ'はせん断補強筋比Pwの影響を若干受ける傾向にあり、今後Pwの影響を考慮したσ'の評価法を確立していく必要がある。また、既往のせん断強度式による終局せん断強度の予測精度に関しては、修正南式が実験結果を適切に評価している点で、学会指針(案)A法およびB法に比して優れている。なお、A法およびB法によっても実験結果に対して安全側の評価を与えることができ、高強度せん断補強筋を使用した鉄筋コンクリート部材に対しても、せん断強度式として十分な精度を有していると言えよう。
PDFファイル名 012-01-2061.pdf


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