種別 論文
主題 繰返し2方向の曲げせん断を受ける鉄筋コンクリート柱の復元力特性
副題
筆頭著者 上原広(大阪工業大学)
連名者1 南宏一(大阪工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
2
先頭ページ 375
末尾ページ 380
年度 1990
要旨
近年のRC構造物の設計法では、2方向外力の取り扱いは、梁降伏型の形成を保証するという観点に立ち、主たる方向の設計用地震力に割増係数を導入するという便宜的な手法を用いている。しかしながら、RC構造物の地震応答解析例では、入力地震波の特性の差異はその応答結果に有意差を生じさせる傾向にあると示している。また、筆者らは、2方向外力を受けるRC柱の載荷経路は、その破壊モード、最大耐力以後の変形性状に有意差をもたらすことを実験的に明らかにしている。そこで本報では、変位経路の差異に着目し、2方向外力を受けるRC柱の主たる方向の弾塑性性状、破壊曲面の推移状況を合理的な曲げ変形解析モデルを用いて解析的に検討し、2方向外力の同時性の影響を明らかにする。
結論
MSモデルを用いた曲げ変形解析により、実験値に現れる2方向外力の影響は良好に模擬できた。その結果、主軸に対して交互に載荷される十字載荷時は、2方向外力時と比し部材の塑性化は軽微であり、直交方向の載荷の影響は無視できることか明かにされた。2方向外力時には、コンクリートの塑性化は、1方向外力時に比べて顕著に進行し、変位経路の差異は、その復元力特性に有意差をもたらす。これはRC部材の曲げ降伏後、変形の増大にしたがって、復元力の軌跡が破壊曲面に接して移動し、復元力特性が規定されるためである。したがって、柱の曲げ降伏を許容しない前提に立てば、2方向外力の同時性を勘案する必要はない。しかしながら、梁降伏型の全体降伏機構の形成を保証するためには、1階の柱脚には曲げ降伏を許容しなければならない。したがって、その規定する保証変形内でのRC柱の復元力特性が、2方向外力時の変位経路の差異による影響を踏まえて一般化され、合理的に評価されなければならない。さらには、RC部材の塑性変形性状が合理的に評価されるために、MSモデルでの塑性バネの復元力特性モデルの評価法の確立が急務である。
PDFファイル名 012-01-2062.pdf


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