種別 論文
主題 RC高橋脚モデルの損傷に与えるランダム波形入力方法の影響
副題
筆頭著者 平澤征夫(中部大学)
連名者1 古澤誠司(新構造技術株式会社)
連名者2 愛知五男(中部大学)
連名者3 伊藤和幸(中部大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 473
末尾ページ 478
年度 1990
要旨 まえがき
本研究は高橋脚や斜張橋のタワーのように曲げが卓越する鉄筋コンクリート構造物の損傷過程における振動特性の変化を定量化すること、および逆に、定量化された振動特性を利用して損傷した構造物の健全度を評価しようとする目的で行った研究の一部である。本論文では特に荷重作用の影響を明らかにする目的で、3種類の実際に観測された地震の加速度波形を取り上げて、これらの波形の入力方法の違いが構造物の損傷度に与える影響の違い、および、入力波形の種類の違いを高橋脚モデルを用いて実験的に明らかにしようとしたものである。
結論
本研究の結果、明らかとなった事柄を以下に項目にしたがって述べる。(1)初期剛性係数〜最大応答変位関係 本論文で定義した初期剛性係数と各載荷段階の最大応答変位の関係より、(a)SD法による初期剛性係数の低下の仕方が曲線的かつ急激であるのに対して、ST法では直線的かつ、ゆるやかな勾配で終局変位まで低下するという違いが見られる。(b)初期剛性係数に与える入力波形の違いの影響はSD法では小さかったのに対して、ST法では比較的明確に現れている。(c)ST法による初期剛性係数が比較的大変位まで直線的に変化することを利用すれば、地震のようなランダムで動的な損傷を受けたRC高橋脚の損傷程度を推定することが可能であると考えられる。とくに入力波形の動的影響まで考慮するためにはST法の試験結果に基づく必要があろう。(2)減衰定数〜最大応答変位 SD法とST法によって得られた減衰定数の値の変化の傾向が異なり、両者とも波形の種類によるばらつきも大きく、得られた数値の大ききの順序も異なっているので、動的損傷度および波形による影響を定量化することは困難である。(3)自由振動数〜最大応答変位関係 初期剛性係数の変化と同様に、載荷方法によって低下の傾向が異なり、SD法による結果が曲線的であるのに対して、ST法による結果は直線的である。しかし、いづれの方法によっても入力波形の影響を明らかにできるほどの違いは認められない。また、この振動数の変化を利用して動的損傷を受けたRC高橋脚の損傷度を推定のには、ST法による直線を仮定できる可能性があると考えられる。(4)供試体ひびわれおよび振動モードの観察 載荷試験方法によって、ひびわれの入り方に相違が認められた。すなわち、SD法による試験後のひびわれが主として柱基部に集中したのに対して、ST試験後のものは基部ばかりでなく中間部にもひびわれが見られた。このことから、柱の振動形状に対する動的影響が考えられ、これについてはさらに検討する必要があると考えられる。
PDFファイル名 012-01-2079.pdf


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