種別 論文
主題 太径異形鉄筋の拘束重ね継手工法の開発
副題
筆頭著者 中山達雄(大林組)
連名者1 脇坂達也(大林組)
連名者2 吉岡研三(大林組)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 509
末尾ページ 514
年度 1990
要旨 はじめに
近年、鉄筋コンクリート構造物の高層化や大型化に伴い、高強度太径鉄筋の簡便な継手方法の開発が望まれている。高品質・工期短縮・コスト低減を意図した施工の合理化を考えるうえで、重ね継手は、主筋・フープ筋を鉄筋篭にあらかじめ加工する組立鉄筋工法に有効な継手方法である。ところで、現行の日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」によるとD29以上の異形鉄筋は、通常の場合、重ね継手を用いないものとされている。そのため、太径異形鉄筋の継手は圧接・溶接あるいは機械継手によっている。しかし、これらの継手方法は熟練を要すること、火器を使用するものは雨天時に施工できないなど、施工の効率化や省力化を意図した工法にとって品質管理・工期・コスト面で適さない。このような現状を考え、D29以上の太径異形鉄筋にも重ね継手で対処できるよう、重ね継手部を鉄板で被覆して、主筋とコンクリートを拘束する「拘束重ね継手」工法を開発した。筆者らはD35を主筋に用いた鉄筋コンクリートはりの構造性能に及ぼす重ね継手長さ、拘束鉄板量、拘束長さ、コンクリート強度など各種因子の影響を調べる基礎的実験を行ない、本工法の有効性を既に確認した。今回、この工法の柱部材への適用を考え、軸力レベルおよび拘束鉄板量の鉄筋コンクリート柱の構造性能に及ぼす影響を解明するための実験を行なった。この報告は、「拘束重ね継手」工法の設計の基本的考え方を実験によって検討したものである。
まとめ
(1)D35の太径異形鉄筋の重ね継手を応力の最も大きい材端に用いた柱も、適切に拘束補強することによって、4δyにおいて安定した荷重〜変形関係を得ることができる。(2)コアコンクリートを拘束補強した鉄筋コンクリート柱は、通常の柱の曲げ終局強度よりも高くなる。軸力のある場合、コンクリートの拘束効果を考慮した応力度〜ひずみ度関係を用いれば、曲げ終局強度をほぼ推定できる。(3)純曲げ試験の結果、大きな変形能を保有させる最少拘束量として、鉄板厚3.2mm(pw=45%、幅厚比90以下)まで確認された。(4)重ね継手部の鉄板による拘束範囲は、部材断面の全せいで十分である。(5)設計の基本的考え方をまとめることができた。設計の詳細手順および諸定数などは、今後さらに検討を加え、実用化に供したい。
PDFファイル名 012-01-2085.pdf


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