種別 | 論文 |
主題 | 複数開口を有する鉄筋コンクリート造耐震壁の弾塑性性状に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 小野正行(近畿大学) |
連名者1 | 徳広育夫(鹿児島大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 2 |
先頭ページ | 539 |
末尾ページ | 544 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき 耐震壁は設計上の制約により開口を有する場合が多いにもかかわらず、開口を有する耐震壁の弾塑性性状は無開口耐震壁ほど明らかにされていない。現行の鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(以後RC規準と略記)の開口の影響による耐力低減率は、開口位置に無関係にその水平耐力が算定され、しかも、複数開口を有する場合には、その開口の大きさの取り扱い方に苦慮しているのが現状である。従って、本研究では、壁筋比と付帯ラーメンの拘束が同じで、図−1に示すような複数開口が壁板中央部や偏在した有開口耐震壁の試験体により繰り返し水平加力実験を行ない、(1)複数開口がひび割れ性状や変形性状に及ぼす影響(2)著者提案の開口の大きさおよび位置によって異なる圧力場を形成する面積を考慮した耐力低減率を適用して、本実験および既往の実験結果の水平耐力との適合性について検討を行なった。 結び 複数開口が壁板中央部や偏在した耐震壁の試験体により繰り返し水平加力実験を行ない、ひび割れ性状や変形性状および著者提案の耐力低減率の適合性を既往の実験資料を含めて検討を行なった結果、以下のことが知れた。(1)単一開口と同様、開口隅角部に斜張力によるひび割れが極めて初期に発生したが、このひび割れ幅の拡大はあまりなく、これが直接の破壊原因とはならなかった。(2)せん断ひび割れが明確になった後、各試験体の変形は8割から9割程がせん断変形であり、開口位置の変化による顕著な相違はない。(3)RC規準の耐力低減率rを複数開口に適用する場合、設計者の工学的判断により複数開口を単一開口に置換える等の方法が取られているために開口位置には無関係であるが、著者提案の耐力低減率ruは圧力場を形成する面積を考慮していることから、同じ大きさの複数開口でも開口位置によって異なるものである。著者提案の耐力低減率ruは汎用性があり、実験値の水平耐力とよい対応を示した。 |
PDFファイル名 | 012-01-2090.pdf |