種別 論文
主題 鉄筋コンクリート床版の保温に関する研究
副題
筆頭著者 浜田純夫(山口大学)
連名者1 兼行啓治(山口大学)
連名者2 檀上和雄(八千代エンジニヤリング)
連名者3 永田幹雄(宇部輿産)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 621
末尾ページ 626
年度 1990
要旨 はじめに
冬期におけるスリップ事故のほとんどが橋梁の上で発生している。路面に積雪があった場合、道路部は地熱により比較的早く融雪するのに対し、熱源の無い吹きさらしの橋梁部では融雪が遅く、ドライバーの一般的傾向として雪の残る橋梁上も、雪の無い道路部の速度のまま通行するために、橋梁上でスリップして交通事故の原因となる、またこのスリップ事故は相当の低温時よりも摂氏0℃近くの方が生じ易い。以上のような状況から、橋梁の実用的な路面凍結防止法の開発を目的に研究を行った。路面の凍結防止法には種々あるが、本研究ではプレキャスト床版の温水による保温に着目した。これは、橋梁床版の保温に関してはプレキャスト床版が施工上、精度の点から有利であり、またプレキャスト床版の場合には軽量コンクリートも十分使用できるという理由からである。床版の保温に関しては軽量コンクリートの方が普通コンクリートより、熱伝導率が低く、熱保温性がよいので有利である。そこで、放熱作用の生ずる下面に軽量コンクリートを打設し、熱伝導のよい普通コンクリートを上面に打設して、軽量コンクリートを断熱材として利用することも可能である。本研究においては、強度が高く、従来の軽量骨材に比較して吸水率が著しく低い新たに開発された「石炭灰系軽骨材(造粒型骨材)」を使用しコンクリート中の埋設パイプに温水を流した場合の効果を調べるために、実験室(20℃)内で実験を行った結果をまとめたものである。なお、保温床版中のパイプの径および配管方法など設計に寄与するために実橋床版に近いサイズの供試体を作り、さらに上部にアスファルトを打設して実験を行い、実橋に適用できるよう実験を試みた。
結論
融雪を目的とした保温床版の開発について次のようなことが判明した。下部に軽量コンクリートを打設すると、コンクリート下面の温度上昇を抑えることができたが、これは下方に向かう熱流を抑えることができ、効率のよいロードヒーティングとなることを示している。床版に軽量コンクリートを用いることは軽量化の意味で理想的であるが、本実験のように保温床版を目的にすると、熱伝導の良い普通コンクリートと断熱を目的とした軽量コンクリートを2層に用いることが、適切であることがわかった。また、実橋の様に下方が吹きさらしの状態の場合の温度降下を防ぐときには、下層の軽量コンクリートがさらに有効に作用するものと考えられる。配管設計として、径15mmで、1m長の管につき1/min、路面から深さ12cm程度であれば、融雪の目的は十分は達せられると考えられる。
PDFファイル名 012-01-2104.pdf


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