種別 論文
主題 コンファインドコンクリートの硬化・滑り領域の構成則の研究
副題
筆頭著者 冨井政英(青木建設)
連名者1 肖岩(青木建設)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
12
2
先頭ページ 759
末尾ページ 764
年度 1990
要旨 まえがき
著者らは、円形鋼管で横補強されたコンクリート円柱の上下端に中心圧縮力を加えることにより、負の仕事をする変動側圧を受けるコンファインドコンクリートについて、変動因子として圧縮強度267、370、475kgf/cm2 (L、M、H級)、鋼管の径厚比20、55、75をとり、体積膨張が始まるまでの力学挙動の実験結果と、膨張開始条件に関する体積ひずみ−偏差ひずみ間及び静水圧応力−偏差応力間の各関係式を明らかにした。その結果、静水圧応力−体積ひずみ関係については、弾性領域から塑性領域に入ると、先ず非線形となり、次いで線形の硬化現象が現れること、また偏差応力−偏差ひずみ関係については、非線形の塑性現象及び線形の硬化現象が順次現れた後、滑り成分が発生、順増することが認められた。また、L、M級のコンクリートを大きな拘束応力が期待できる径厚比20の鋼管で横補強した場合には、鋼管が降伏した以後コンクリートが体積膨張を始めるまで、応力及びひずみがかなり増進することが認められた。ゆえに、限界状態設計法を採用した場合は、コンクリートの応力・ひずみの限界として、体積膨張開始時を破壊点と考え、この時の値を採用するのがよいと考えられる。そこで、本論は、耐震性能が優れた鋼管横補強鉄筋コンクリート柱及び鋼管コンクリート柱の塑性挙動を解明するため、上記の実験結果を解析し、負の仕事をする変動側圧を受けるコンファインドコンクリートについて体積膨張が始まるまでの硬化領域及び滑り領域に関する構成則を提示したものである。
まとめ
円形鋼管で横補強されたコンファインドコンクリートに関し、静水圧応力σo−体積ひずみεv関係の硬化領域における線形関係式〔(3)式、15〕式、(6)式〕、及び偏差ひずみγ。の滑り成分γ。(s)とεv及びγoの関係が簡単な1次式で表せること[(12)式]を、著者らの中心圧縮実験結果の解析から明らかにした。その結果、本論で明らかにしたこの2つの関係式と、著者らが別論、で明らかにした体積膨張開始時のひずみ間及び応力間の各関係式〔(2)式、(1)式〕を使うことにより、コンファインドコンクリートの硬化領域及び体積膨張が始まるまでの滑り領域の構成則が、体積弾性係数Kと圧縮強度σBが与えられれば、8面体応力σo、τ。及び8面体ひずみεv、γ。を使った簡単な1次式で提示できた。これにより、横補強円形鋼管の半径方向拘束応力σr−半径方向ひずみεv関係が既知の場合、横補強されたコンファインドコンクリートの軸方向応力σz及び軸方向ひずみεzが求められることになった(8項参照)。体積弾性係数K及びせん断弾性係数Gは、日本建築学会鉄筋コンクリート構造計算規準のヤン係数E及びポアソン比ν=1/6を使って評価できることを明らかにした。その結果、弾性領域から使用限界と考えられる体積膨張開始時までの、σo−εv関係を折線で、τ。−γ。関係を折線と滑り成分γ。(s)で表すことにより、負の仕事をする変動側圧を受けるコンファインドコンクリートについて、体積膨張を起こさない場合の構成則を近似的に定義できるようになった。今後の研究課題としては、弾性領域と硬化領域の間の非線形塑性領域の構成則の数式化が残されているほか、振動解析に必要な繰返し荷重を受けた場合の挙動の究明、使用限界を決める上で必要な劣化現象、残留変形及びクリープ現象の究明などがある。
PDFファイル名 012-01-2128.pdf


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