種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリート板の有限要素非線形解析 |
副題 | |
筆頭著者 | 呉智深(名古屋大学) |
連名者1 | 二羽淳一郎(名古屋大学) |
連名者2 | 吉川弘道(武蔵工業大学) |
連名者3 | 田辺忠顕(名古屋大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 2 |
先頭ページ | 765 |
末尾ページ | 770 |
年度 | 1990 |
要旨 | まえがき 近年超高層ビル・原子力構造物・海洋構造物など過酷な環境下での超大型構造への鉄筋コンクリート(RC)の適用が著しくなってきている。この種の構造は通常プレートあるいはシェル要素の複合構造となっており合理的な設計を可能とするためには、コンクリートと鉄筋との相互作用、クラックによる応力集中あるいは分散作用、コンクリートの非線形挙動などを適切に数学的にモデル化するとともに、それらの相互作用を明確にしなければならない。その中でも、応力の増加にともなって発生するクラックの影響は大きく、RC構造の挙動の有限要素法による解析についての多くの研究の発展は、コンクリートのクラックをいかに解析の中に数式モデルとして取り組むか、またコンクリートのクラックがRC構造の非線形性状に与える多様な影響をいかにモデル化するかの歴史であったといっても過言ではない。面内力と曲げモーメントを受けるプレート・シェル要素構造物は通常三次元立体要素、古典的な板曲げ要素およびdegenerateシェル要素を用いて離散化されている。三次元立体要素はいかなる構造物に対しても適用でき、もちろんプレート・シェル構造物に対しても、その特性を精度よく表せるが実際解析を行うとき膨大な自由度が必要となり、計算時間も増大する。また、コンクリートの三次元の非線形構成則を構築するために、今の段階では利用しうる情報はまだ足りないと考えられる。このため多くの研究者は板曲げ要素を用いてRC構造の計算モデルを開発してきた。しかしながら、板曲げ要素は法線保持に基づいたもので面外せん断変形を考慮できない。そこで本研究は上記の問題点に鑑みて層分割法を用いた次数低減積分法により一点積分を施した双一次シェル要素の定式化を行った。また、著者らが近年開発したRCプレート・シェル要素の材料モデルを導入することによって、RC板の非線形解析を行い、数種の数値計算を実施しその有効性について考察した。 まとめ 次数低減積分法を用いた双一次degenerateシェル要素による非線形材料モデルを導入した解析方法について述べ、数値例としてTaylorらの供試体の非線形解析を行った。本解析法は様々な非線形性を考慮でき、極限点後の挙動を含むRCプレートシェル全領域の非線形挙動を追跡できる効率的な解析手法として、十分な有効利用が期待できる。 |
PDFファイル名 | 012-01-2129.pdf |