種別 | 報告 |
主題 | 鉄筋の電気化学的特性値に関する一考察 |
副題 | |
筆頭著者 | 田村博(日本建築総合試験所) |
連名者1 | 永山勝(日本建築総合試験所) |
連名者2 | 下澤和幸(日本建築総合試験所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 12 |
号 | 1 |
先頭ページ | 429 |
末尾ページ | 434 |
年度 | 1990 |
要旨 | はじめに 著者らは、既報において、コンクリート表面で得られる電気化学的特性値は、鉄筋の電気化学的特性値とコンクリートの電気化学的特性値で構成される腐食モニタリングに関する基本式で表わされることを明らかにした。この基本式をもとに、腐食モニタリングを高い精度で行うためには、各種条件下における鉄筋ならびにコンクリートの電気化学的特性値に関する基礎的データを、系統的に数多く収集する必要がある。本報告は、そのような見地に立って実施した、水溶液に長期間浸漬した鉄筋の電気化学的特性値に関する実験の結果について述べたものである。 おわりに 鉄筋を水溶液に長期間(約200日間)浸漬し、腐食量を最大1000mg程度とする、鉄筋の電気化学的特性値に関する実験の結果、次のようなことが明らかとなった。1)長期間の溶液浸漬実験でも、W=K・∫(1/Rp)dtの関係が成立することが確認された。ここに、W:腐食量、K:腐食量指標係数(定数)、Rp:分極抵抗である。2)言いかえれば、分極抵抗の測定は、腐食速度と推定するための、きわめて有効な手段であることが確認された。3)腐食量指標係数:Kの値は、鉄筋表面処理(黒皮鉄筋とみがき鉄筋)やCl-濃度(0%と2%)で異なる。4)したがって、腐食速度を高い精度で推定するためには、(i)分極抵抗を測定するだけではなく、鉄筋表面でのCl-濃度も測定する必要があるとともに、(ii)Kの値とCl-濃度の詳細な関係を実験で求めておく必要がある。5)鉄筋の長さの違いによる自然電位の変化の相違などについては、今後さらに検討を加え、考察を深める必要がある。この課題の究明は、コンクリート中の鉄筋腐食メカニズムの究明と相通じるところがあり、重要である。 |
PDFファイル名 | 012-02-1073.pdf |