種別 報告
主題 液体窒素によるプレクーリング工法(粗骨材冷却方法)について
副題
筆頭著者 布谷一夫(竹中土木技術開発本部)
連名者1 三木自行(兵庫県企業庁)
連名者2 吉岡保彦(竹中工務店技術研究所)
連名者3 安藤慎一郎(竹中土木東京本店)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 903
末尾ページ 906
年度 1990
要旨 はじめに
近年の社会基盤整備事業等においては大規模プロジェクトが多く、コンクリート構造物の大量急速施工法が要求されるとともに、重要構造物の大型化に伴う耐久性・機能性の確保および向上等の点からセメントの水和熱による温度ひびわれの制御が重要な問題となっている。ひびわれ制御方法としては、セメント量の低減や低発熱性セメントの使用、あるいはパイプクーリングなど種々の方法があるが、最近では温度低下効果が大きいことや、温度低下量制御の容易性、設備コストが低いなどの冷却設備の簡易性から、液体窒素によるプレクーリング工法が注目されている。本報告で述べるプレクーリング工法は、液体窒素を粗骨材に直接供給し、潜熱および顕熱を有効に利用して粗骨材を冷却することによりコンクリートの練り上がり温度を制御して温度ひびわれを防止する工法であり、粗骨材の寸法や含水状態の相違が液体窒素の熱交換効率に及ぼす影響、冷却した粗骨材を使用したコンクリートの品質の確認、およびプロジェクトへの適用性等について検討した。
まとめ
以上の検討結果をまとめると、概ね次のようである。1)液体窒素による粗骨材冷却では、潜熱・顕熱を有効に利用することにより、高い熱交換効率が得られる。2)粗骨材寸法が小さいと、熱交換効率は若干高くなる傾向を示すが、表面水が多い場合には凍結する場合がある。3)冷却した粗骨材を使用してコンクリート温度を低下させたことによりスランプが増大した。これは練り上がったコンクリートに直接液体窒素を供給して冷却した場合には見られなかった現象であり、同等のコンシステンシー、W/Cのコンクリートであれば単位水量、単位セメント量の低減が可能となる。4)冷却した粗骨材を使用したコンクリートの材令28日強度は、冷却しない粗骨材を用いたコンクリートより大きく、温度の低下によるコンクリートの品質改善効果が認められた。5)粗骨材冷却システムが支障なく連続運転可能であることが明らかとなり、10℃冷却の場合は液体窒素供給量制御により±3℃の範囲でコンクリート温度を低下できることが確認できた。6)1m3のコンクリートを1℃低下させるための液体窒素使用量は7〜9kg/m3℃であった。最後に、本工法は大陽酸素(株)および三菱重工業(株)との共同開発であり、実験に御協力頂いた兵庫県企業庁西播磨新都市建設局殿ならびに下莇原ダム特別共同企業体の関係各位に深謝の意を表します。
PDFファイル名 012-02-1156.pdf


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