種別 報告
主題 格子状繊維強化複合材料の引張・圧縮特性
副題
筆頭著者 小林克巳(福井大学工学部)
連名者1 藤崎忠志(清水建設技術本部)
連名者2 林英樹(福井大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1031
末尾ページ 1036
年度 1990
要旨
本報告で対象とする繊維強化複合材料は、連続繊維を樹脂に含浸させながら、縦・横交互に積層し、平面あるいは立体の格子状に成形したもの(NFM)である。弾性的挙動しか示さない繊維でも、破断伸びの異なる2種類の繊維をハイブリッドして用いれば、鉄筋の降伏に似た現象も示すようになる。しかし、各繊維が歪レベルを異にして、順次破断していくことを前提としており、鋼材のような均質材料の降伏とは根本的に異なっている。そこで、NFMを構成する一部の繊維が破断を開始していくことが、繰返し応力度・歪度関係にどのような影響を及ぼすかも興味のあるところである。本報告は、ガラス繊維(GF)と炭素繊維(CF)を組み合わせた場合のハイブリッド型GC-NFMの引張・圧縮繰返し応力度・歪度関係を検討することを目的として、GFあるいはCFの単一種類の繊維で構成されるG-NFMおよびC-NFMの引張・圧縮特性からはじめ、GC-NFMの引張・圧縮繰返し特性について実験を行った結果について述べるものである。
まとめ
本実験によって得られた知見をまとめると以下のようになる。(1)NFMの引張・圧縮強度および剛性は繊維束本数に比例するが、1本の繊維束の引張・圧縮強度および剛性の倍数とはならない。(2)NFMの強度および剛性と繊維体積含有率との関係は、データのばらつきが大きく定量的に把握できなかった。(3)C-NFMのように圧縮強度が引張強度に比べて極端に小さくなる場合があり、繊維強化複合材料の特性は一軸引張方向と圧縮方向で異なることがある。これは、繊維のミクロ的な分子構造や繊維強化複合材料のマクロ的な構造に起因すると思われる。(4)引張試験方法によって、得られる引張強度に差が認められる場合があり、繊維強化複合材料に対して適切な試験方法が検討されるべきである。(5)異種繊維を組み合わせた場合、引張側で見られるハイブリッド効果は、圧縮側では同じようには現れない。一部の繊維が破断するとそれらは強度には関係なくなるが、マトリックスとの付着により、剛性に影響を及ぼすようである。(6)GC-NFMの圧縮破壊は、一部の繊維が引張破断した後も、ほぼ一定の歪レベルで生じる。
PDFファイル名 012-02-1179.pdf


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