種別 報告
主題 炭素繊維複合材(CFCC)用端末定着体の開発
副題
筆頭著者 遠藤隆一(東京製綱研究所)
連名者1 白鳥信令(東京製綱研究所)
連名者2 高木宏(東京製綱研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1057
末尾ページ 1060
年度 1990
要旨 はじめに
最近、PC構造物の緊張材にPC鋼材の代替として、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を用いた繊維複合材について研究されている。中でも炭素繊維を用いた繊維複合材は、PC鋼材に匹敵する高強度、高弾性率を有し、PC鋼材に比べリラクセーション特性に優れ、軽量かつ腐食しないという利点を持っている。しかし、繊維複合材を緊張材として使用する場合、繊維複合材は鋼材に比べて剪断に弱いため、通常のPC鋼材用くさび式定着具では、剪断破壊をおこし、十分な緊張、定着がおこなえないという欠点がある。そこで通常は、1)外周にネジ加工を施した鋼管に繊維複合材を挿入し、その隙間に充損した樹脂の接着力で繊維復合材と鋼管を一体化した定着部を形成した後、鋼管にカップラーを装着して緊張し、ナットで定着する方式や、2)くさび長を長くし、テーパー角を変え、くさび内面を平坦にしたくさびを用いて繊維復合材に作用する剪断力を緩和し、くさび作用による繊維複合材とくさび内面との摩擦力で緊張、定着する方式がある。しかし、前者は、経済性、作業性、耐熱性等に問題があり、また、後者は、当社の実験においてくさび作用による応力集中の影響で繊維複合材自体の強度の約70%でくさび口元部より切断してしまうという問題がある。本研究では、繊維複合材の外周に緩衝材の層を設け、その部分をくさび式定着具で挟持するという考えに基づいて、緩衝材として耐久性、作業性、および繊維複合材との密着性に優れた低融点亜鉛合金を、繊維複合材の端末をセットした金型中に射出成形し(ダイカスト加工)、さらにその低融点合金層の上に鋼管を圧着し強度を向上させる方法を検討した。
まとめ
CFCC用端末定着体としてダイカスト方式を導入することにより、緊張作業では、PC鋼撚り線用くさびの使用が可能である。また、ダイカスト方式は、切断荷重が高く、くさびの引き込み量が少なく、リラクセーション値が小さいという特性があり、端末定着体としては、CFCCの基本特性を十分に引き出すことができ、PC構造物用緊張材に対応できる。しかし、緩衝材層があるため定着体部の外径が大きくなり、同一径のPC鋼撚り線より大きいくさびを使用しなければならない。また、定着位置が定着体部により限定され、かつダイカストマシンを使用しなければならないこと等により、現状では緊張作業現場での定着体加工は困難である。今後は、このダイカスト加工を緊張作業現場でも行なえるように検討したい。
PDFファイル名 012-02-1184.pdf


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