種別 報告
主題 某建物外壁のひび割れ幅変動調査報告
副題
筆頭著者 小柳光生(大林組)
連名者1 増田安彦(大林組)
連名者2 中根淳(大林組)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1187
末尾ページ 1192
年度 1990
要旨 はじめに
鉄筋コンクリート外壁に発生したひび割れは、乾燥収縮がほぼ収束した後も外気温の影響でその幅は変動する。この変動量を把握することは、ひび割れ補強筋の設計や仕上げ材の選択などにとって重要なことと思われる。本報告は、打放しコンクリート構造物の外壁に発生したひび割れ幅を約1年半にわたって計測した結果を示す。またひび割れの一部に炭素繊維材を張り付け、ひび割れの抑制効果を調べている。
まとめ
某建物の外壁コンクリートのひび割れ調査を長期間にわたって行なった。コンクリートは硬練りを使用しており、材料的には高品質と思われるが、ひび割れ幅の大きさは、竣工後7年で開口部腰壁で0.2〜0.4mm無開口部で0.2mm程度を示した。日内あるいは週単位での温度変動を考えると最大値は若千これを上回るものと思われる。また、開口部回りの補強筋を変えて比較したが、内装の断熱材の有無という条件も加わり、補強筋の効果が確認出来なかった。しかし、開口部回りのひび割れは、その幅も大きく、問題になる恐れがある。今後、効果的な補強筋の開発検討あるいは誘発目地による対処などが望まれる。ひび割れの年間変動は、冬期に拡大し、夏期に縮む傾向にあり、その幅は-1.0〜+0.15mmの変動であり、また各ひび割れの平均としては0.2mm前後の範囲で変動した。また日内変動は、朝方に拡大、夕方に縮む傾向にあり、特に冬期では1日間で0.1mm前後の大きな変動が見られた。竣工後4年でもひび割れは進行している傾向にあったが、これはひび割れ近傍は日間あるいは週間ピッチ位で0.1mm前後の伸び縮みの繰り返しを受けており、このため鉄筋との付着疲労が進み、劣化した結果、幅の増加を生じたのではないかと思われる。仮に、ひび割れ部にエポキシ樹脂注入補修を行ったとしても、鉄筋との付着力改善を図ることが出来ないため、仕上げ材が有る場合、その損傷防止は困難と思われる。そこで、炭素繊維を張り付け、ひび割れ幅変動の抑制効果について検討した。まだ予備的な検討の域を出ていないが、炭素繊維使用量の大きい無開口壁の場合、そのひび割れ変動がかなり小さかった。ひび割れ部補修の下地処理として、今後適用出来る可能性があるといえよう。ただし、他へのひび割れ発生という問題は残りそうである。
PDFファイル名 012-02-1207.pdf


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