種別 | 論文 |
主題 | フレッシュコンクリートの可視化実験手法に関する相似則の検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 橋本親典(群馬大学) |
連名者1 | 吉田正宏(群馬大学大学院) |
連名者2 | 安積淳一(日本道路公団) |
連名者3 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 89 |
末尾ページ | 94 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに フレッシュコンクリートの管内およびアジテータ内での複雑な流動機構を実験的に解明する一手法として、著者らは、流れの現象を理解するのに最適な可視化実験手法の適用を提案している。この実験手法は、フレッシュコンクリートを可視化可能な別の材料で置換したモデルを使用する一種のシミュレーション実験である。可視化実験手法は物性および構成材料が異なるモデルを使用するため、得られた情報が実際のフレッシュコンクリートの挙動に適用するか否かの検討、つまり相似則に関する検討が必要となる。これまでの相似則の検討としては、モルタル相と粗骨材粒子群の材料分離に対する抵抗性の程度に着目した検討であった。コンクリートの流動現象に対する可視化実験手法の適用例としては、ポンプ圧送時の配管内の流動現象とアジテータ内の流動現象を取り扱ってきた。直管・テーパ管およびベント管内を流動するコンクリートの可視化実験では、乱れ特性や材料分離が観察されたが、実際の配管内での再現性とその定量的評価が必要となる。また、1/5スケールのモデルアジテータを使用した可視化実験において、排出時にドラムの内壁やブレードに付着して巻上がる現象が観察された。この現象はアジテータの排出効率の低下に影響をおよぼすと考えられ、実機での現象との比較評価が必要となる。本研究では、可視化実験で得られた情報を実機での現象に対応させる相似則の手法として、以下に示す2項目を取り挙げ、可視化によるシミュレーション実験の妥当性を検討した。(1)コンクリートのレオロジー定数(塑性粘度・降伏値)に基づく相似別の検討。(2)コンクリートの摩擦特性に基づく相似別の検討。 まとめ 本研究で得られた知見を以下に記す。1)ビンガム流体の変形を規定するビンガム数・へドストレーム数より、フレッシュコンクリートと可視化モデルコンクリートの相似則を検討した結果、ビンガム数に基づく相似則を満足させるのは困難であると考えられる。ビンガム数で相似則を満足させるには、式(7)の関係を有するモデルコンクリートが必要である。これに対して、へドストレーム数で相似則を満足させることは可能であり、慣性力が関連する流動現象に対して適用性は高いことが認められる。2)可視化モデルコンクリートは、本研究の実験方法で定量化した摩擦損失に関する相似則を満足する。3)実機のコンクリートの流動現象に対応した可視化実験を行うためには、フレッシュコンクリートの流動現象を支配する物理量を独自に見いだす必要がある。 |
PDFファイル名 | 013-01-1012.pdf |