種別 論文
主題 コンクリートポンプの滑り弁内を流れるコンクリートの可視化
副題
筆頭著者 橋本親典(群馬大学)
連名者1 平井秀幸(群馬大学大学院)
連名者2 丸山久一(長岡技術科学大学)
連名者3 辻幸和(群馬大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 95
末尾ページ 100
年度 1991
要旨 はじめに
今日、コンクリートポンプ工法は建築・土木の施工現場を問わず広く普及している。しかしながら、最近では、水中不分離性コンクリートなどの新しい混和剤を使用したコンクリートが出現し、従来のコンクリートポンプでは十分な時間吐出量を確保できなくなっている。特に、大深度地下構造物や都市再開発による超高層ビルなどの施工の大型化に伴い、コンクリートの高強度化やポンプ圧送の高所・長距離化がさらに進むことが予想される。そのため、従来のコンクリートポンプでは圧送困難であった打設条件に対応すべきコンクリートポンプの開発・設計が必要になってくると考えられる。これまでのコンクリートポンプの開発・設計は、圧送技術の経験をベースに修正・改良してきたものが多い。実際のフレッシュコンクリートがどのようにコンクリートポンプ内部を流動するかということは、ブラックボックスであり推測の域を出なかった。従って、コンクリートポンプ内部を流動するフレッシュコンクリートの力学的学動を明らかにすることができれば、コンクリートの流動性状を考慮に入れたコンクリートポンプの最適化設計が可能となる。著者らは、ポンプ圧送時の管内流動に関する実験手法として、“フレッシュコンクリートの可視化モデル”を使ったシミュレーション実験を開発してきた。この可視化実験手法は、実際のフレッシュコンクリートを全く別の可視化材料に置換し、従来明らかにされていなかった流動状態におけるコンクリート内部のモルタル相と粗骨材粒子群相互の力学的学動を、画像データとして取り扱う方法である。これまでの実験的研究から、この可視化実験手法が滑り弁型コンクリートポンプ内の流動性状を解明する有力な武器になり得ることが明らかになった。本研究は、コンクリートポンプの滑り弁内を流れる可視化モデルコンクリートに関する画像データを基に、吐出過程および吸入過程におけるコンクリートポンプ内のフレッシュコンクリートの流動性状について検討する。
結論
コンクリートポンプの滑り弁内を流れる可視化モデルコンクリートに関する画像データを収録し、これに基づいて、吐出過程および吸入過程におけるコンクリートポンプ内のフレッシュコンクリートの流動性状について検討した。本実験内において、次のことがいえる。1)滑り弁型コンクリートポンプ内を流動する可視化モデルコンクリートの流動性状は、基本的に“固体栓”流れである。2)吸入過程における滑り弁曲がり部での可視化モデルコンクリートの流れは、隅角部まわりのポテンシャル流れとして取り扱うことができる。3)吐出過程においては、拡幅部上部の停滞する可視化モデルコンクリートと拡幅部直下の管内を流動する可視化モデルコンクリートの境界面にせん断面が形成される。一方、吸入過程においては、滑り弁坂先端と吸入シリンダー底部が接する隅角部領域で停滞する可視化モデルコンクリートと流動する可視化モデルコンクリートの境界面にせん断面が形成される。4)これらのせん断面は、流動中の可視化モデルコンクリートの材料分離を誘発させる原因と考えられ、コンクリートポンプの圧送機構に対して悪影響を及ぼす。
PDFファイル名 013-01-1013.pdf


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