種別 | 論文 |
主題 | アジテータ内でのフレッシュコンクリートの攪拌過程の可視化 |
副題 | |
筆頭著者 | 橋本親典(群馬大学) |
連名者1 | 安本礼持(住友セメント) |
連名者2 | 丸山久一(長岡技術科学大学) |
連名者3 | 辻幸和(群馬大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 101 |
末尾ページ | 106 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに トラックミキサ車は、レデーミクストコンクリートの使用とコンクリートポンプ工法の普及により、都市部およびその近郊の建設現場におけるコンクリート打設に関する一連の施工システムにおいて重要な役割を果たしている。わが国で用いられているトラックミキサ車の多くは、バッチャプラントで製造されたレデーミクストコンクリートを積み込んで現場まで運搬する間、骨材とモルタル分の材料分離と固化を防止するために、攪拌しながら運搬するアジテータとして使用されている。現在、このアジテータの性能は、JISA1119『ミキサで縛り混ぜたコンクリート中のモルタルの差及び粗骨村量の差の試験方法』による品質検査でしか評価されていない。この検査方法は、一般の定置式コンクリートミキサの練り混ぜ性能と同様な検査方法である。練り混ぜ性能が重要である定置式コンクリートミキサと異なり、アジテータの場合、運搬時間内での材料分離・固化の防止や到着後の排出性能が重要となる。従って、現在の品質検査方法は、アジテータの性能を十分評価するものとは言い難い。アジテータの性能に関する検査方法が不十分であると考えられる理由としては、対象とする実機のアジテータが大規模であることとアジテータ内でのコンクリートの流動性状がブラックボックスであることが挙げられる。著者らはこれまでに、アジテータの性能評価方法の確立を目的とし、著者らが開発してきた実験室規模で行うコンクリートの流動に関する可視化実験手法を用いて、アジテータ内のコンクリートの流動解析を行っている。1/5スケールのアジテータモデルを用いた流動実験の結果、攪拌過程や排出過程におけるアジテータ内でのモルタル相と粗骨材粒子群の力学的挙動を目視観察することが可能であることが明らかになってきた。本研究では、アジテータ攪拌過程における可視化実験によって得られた画像データを基に、攪拌過程におけるコンクリートの流動機構について詳細に検討した結果を報告する。 結論 アジテータの攪拌過程におけるコンクリートの流動機構は複雑であるが、概ね以下のようにまとめることができる。1)ドラム壁低面近くのコンクリートは、ドラムと共に円運動を行いながらブレードによって、ドラム奥へ押しやられる。ドラム回転により、自由面に到達後、表層流となり、開口部側で生しるブレードの越流過程によって、開口部の方に逆流してくる。開口部近くでブレードを越流すると、壁低部に落下し、再びブレードに押されてドラム奥方向の流れとなり、アジテータ内を循環する。この循環流動が円滑に行われるとき、攪拌性能は良好となる。2)アジテータの容量に対して、コンクリートの積載量が過大になると、表層郡のコンクリートの流れが上側ブレードによって堰止められ、ドラム奥側にモルタルが堆積し、材料分離現象が発生する。今後の研究課題としては、攪拌時間が60分から90分間においてアジテータ内のフレッシュコンクリートのスランプが著しく低下する特性(スランプロス現象)が、攪拌過程に及ぼす影響を検討する必要がある。この為には、経過時間に伴うモルタルの品質変化を再現した可視化モデルコンクリートの開発が必要となる。 |
PDFファイル名 | 013-01-1014.pdf |