種別 | 論文 |
主題 | 高炉スラグ微粉末を用いたセメントペーストのレオロジー特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 近田孝夫(新日鐵化学) |
連名者1 | 松下博通(九州共立大学) |
連名者2 | 前田悦孝(新日鐵化学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 113 |
末尾ページ | 118 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき コンクリートの流動性を考えるとき、コンクリートをセメントペーストと骨材の2相材料と考え、骨材表面のペースト膜の性質とその膜厚によってコンクリートの流動性が支配されるという余剰ペースト膜厚理論がある。この理論は、Kennedy、Powersらによって提唱されたフレッシュコンクリートの理論的な配合設計法の1つであり、コンクリートの流動性は、セメントペーストの流動性が一定の場合には、骨材表面に形成される余剰ペースト膜厚が大きいほど、余剰ペースト膜厚が一定の場合にはセメントペーストの流動性が大きいほど良好であるとする考え方である。(式(1)および図-1参照)。Fc=f(Fp、Tp) (1)、(ここにFc:コンクリートの流動性、Fp:セメントペーストの流動性、Tp:余剰ペースト膜厚)筆者らは、これまでの研究で、セメントペーストのコンシステンシーを一定とした場合、余剰ペースト膜厚が最大となる細骨材率で流動性も最大となり、最適細骨材率であることを実験的に実証し、このことは骨材の最大寸法が20~120mmの広範囲のコンクリートに対して十分適用できることを報告している。本報告は、余剰ペースト膜厚理論におけるもう1つのファクターであるセメントベーストの流動性を評価するに当たり、数種類のセメント系材料および混和剤を用い、セメントペーストの水/固体容積を変化させた場合についてフロー値、JAロート流下時間および音叉型振動式粘度計による流動曲線、から求めた塑性粘度の関係について基礎的実験を行なった結果をまとめたものである。 結論 本試験の結果をまとめると以下の通りである。(1)Vw/Vsの増加に対して、JAロート流下時間および塑性粘度は双曲線的に減少し、フリーフロー値は指数曲線的に増大する傾向がある。(2)本試験の範囲では、AE剤添加と無添加の場合ではセメントペーストの流動性に大差はない。減水剤、高性能減水剤の添加はJAロート流下時間が急激に増大する領域をVw/Vsの小さい範囲に移動させ、フリーフロー値を増大させる効果があり、その効果は高性能減水剤の方が大きい。(3)スラグ置換率を大きくすると塑性粘度は低下し、セメントペーストの流動性は大きくなるがその効果はVw/Vs、混和剤の種類によって変化する。(4)スラグ粉末度を高めると塑性粘度は増大し、セメントペーストの流動性は小さくなる傾向にあるが、この傾向はスラグ粉末度が6000cm2/gを越えると顕著になる。(5)塑性粘度と降伏値がほぼ一定の割り合いでともに増加または低下するような場合はJAロートの流下時間は塑性粘度にほぼ比例する。 |
PDFファイル名 | 013-01-1016.pdf |