種別 論文
主題 低レベル放射性廃棄物貯蔵コンクリートピット充填用モルタルの開発に関する研究
副題
筆頭著者 安部聡(原子力環境整備センター)
連名者1 岡本修一(大成建設)
連名者2 松岡康訓(大成建設)
連名者3 富松政俊(日本国土開発)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 161
末尾ページ 166
年度 1991
要旨 はじめに
原子力発電所等から発生する低レベル放射性廃棄物は、最終貯蔵施設に安全に埋設かつ長期的に安全な環境で貯蔵することが必要であり、最終貯蔵施設は図-1の概念図に示すようにコンクリートピット内に低レベル放射性廃棄物を内含するドラム缶を設置し、その後空隙部をモルタルで充填する計画である。このモルタルは、材料分離のない均一な品質で、ドラム缶どうしの狭隙を確実に充填し境界部を一体とすることが要求性能としてあげられる。また、温度ひびわれ防止の観点から水和熱をできるだけ低減することが配合選定に於ける重要な条件となる。対象としている貯蔵施設の形態から、当初、プレパックドコンクリートに準拠したモルタルについて検討した。しかしながら、低発熱セメント(3成分系)を使用する場合、充填用モルタルのブリージングを抑制することは極めて難しいことが1セルの1/4モデルでの試験より明かとなった。すなわち、低発熱セメントの使用によりブリージングは増加する傾向にあるうえ、細骨材の品質変動によりブリージング性状やモルタルの流動性が大幅に影響されるため、材料の厳格な品質管理が要求される。また、ブリージングを押さえるために水セメント比は極力小さくする必要があるが、同時に流動性を確保するには結果として粉体量が増加し、水和発熱に起因する温度応力には不利な状態となる。さらに、ブリージング等による沈下を予測してそれをアルミ粉末により補償することとしたが、この方法ではドラム缶下面および充填後の最上面に脆弱層を形成することが懸念され、1/4セルモデルでの試験ではドラム缶下面にブリージングによる水みちが部分的に観察された。そこで本研究では、コンクリート用水中不分離性混和剤(以下MC)を用いることでブリージングを防止し、かつ水和発熱量の小さい充填用モルタルの開発を目的とし、配合ならびに物理的性質(特に透水係数)を検討した。
まとめ
低レベル放射性廃棄物最終貯蔵施設用の充填モルタルの開発に当たり、3成分系の低発熱セメントを使用して水和発熱を低減し、コンクリート用水中不分離性混和剤を用いることで流動性は確保しながらブリージングを0とし、膨張材により硬化収縮を補償することで、高品質、高流動、低発熱という充填モルタルとしての要求怪能を満足することができた。今回対象とした構造物に限らず、セメント系充填材料で空隙を充填しようとした場合、材料分離等による被充填物と充填材境界部に発生する空隙が問題となる場合が多い。そういう点において今回示したような配合の考え方や充填モルタルは他構造物へ種々応用できるものと思われる。
PDFファイル名 013-01-1024.pdf


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