種別 論文
主題 高品質モルタルによる低レベル放射性廃棄物貯蔵用模擬コンクリートピット充填性試験
副題
筆頭著者 瀬尾有一(原子力環境整備センター)
連名者1 宇治公隆(大成建設)
連名者2 松岡康訓(大成建設)
連名者3 唯野英輝(銭高組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 167
末尾ページ 172
年度 1991
要旨 はじめに
低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵施設は、低レベル放射性廃棄物を内含するドラム缶をコンクリートピット内に設置し、中央部1ヶ所からモルタル注入して空隙部を充填する計画である。1ピットは外寸法が約25m×25mで、内壁で仕切られた16セルで1ビットを構成している。充填するモルタルは俵積みしたドラム缶の狭い隙間(最小8皿)を流動すること、また温度ひびわれ、温度の上昇・降下にともなうドラム缶とモルタルとの境界部での縁切れを抑制するため水和発熱をできるだけ低減すること、が配合選定に於ける重要な条件となる。これらの条件を満足する配合として、水中不分離性混和剤を用いた配合を選定し、物理的諸性質について検討した。その結果、選定した充填モルタルはブリージングがなく、所要の流動性を有することを確認した。また、水中不分離性混和剤の粘稠性による材料分離の抑制効果のため、単位セメント量が低減され、水和発熱を抑制できた。ところで、コンクリートピット内に設置されるドラム缶はピット内体積のおよそ60%を占める。このドラム缶の内部は無機系材料で固化された非発熱体であるため、充填モルタルの発熱を吸収することが予想され、温度応力には有利になるものと考えられる。そこで本研究では、実規模の模擬コンクリートピットの1セルを用いて水中不分離性混和剤を用いたモルタルの流動性および充填性、さらに充填後の諸性質について検討するとともに、非発熱体が内在する場合の水和発熱特性を調べた。
まとめ
低レベル放射性廃棄物貯蔵施設用の充填モルタルとして、水中不分離性混和剤を用いた配合を選定し、実規模での充填性に関する試験を実施した。その結果、以下のことが明らかとなった。1)水中不分離性混和剤を混入することによりブリージングがなく、流動性に優れ、低発熱の充填モルタルの製造が可能である。2)充填モルタルの圧縮強度は流動距離5m程度で約10%低下し、透水係数も5~10倍大きくなるが、ブリージング等の材料分離は認められず十分均等質な状態を保っている。3)充填モルタルは、ドラム缶が俵積みとなった狭い隙間部を通しても流動勾配5%程度の優れた流動性能を有している。4)既設のコンクリート壁と充填モルタルは高い付着性能を有し、打継部の遮水性も高い。5)非発熱体が内在することによる吸熱現象により最大温度が大幅に低下し、温度上昇速度も低下する。温度解析にあたっては非発熱体の吸熱を考慮した解析が必要となってくる。
PDFファイル名 013-01-1025.pdf


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