種別 | 論文 |
主題 | 二成分系のハイパフォーマンスコンクリートの配合に関する一考察 |
副題 | |
筆頭著者 | 中島良光(前田建設工業) |
連名者1 | 梶田秀幸(前田建設工業) |
連名者2 | 三浦信一(前田建設工業) |
連名者3 | 牧野英久(前田建設工業) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 173 |
末尾ページ | 178 |
年度 | 1991 |
要旨 | はじめに ハイパフォーマンスコンクリート(以下、HPCと略す)は、コンクリートの耐久性向上、施工の合理化を目的として、東京大学の岡村研究室で開発されたコンクリートである。HPCのフレッシュな状態における最大の特徴は、流動性、材料分離抵抗性、充填性に優れ、振動締め固めをせずに型わくの隅々に行き渡ることである。HPCは、混和材料として高炉スラグ微粉末およびフライアッシュを用いる場合(三成分系のHPC)と、高炉スラグ微粉末のみを用いる場合(二成分系のHPC)が報告されている。筆者らはこのうち、二成分系のHPCを用いて実物大施工実験を行った。本研究は、この実験に用いた二成分系HPCの配合および練りまぜ方法などが、フレッシュコンクリートの性状とその経時変化に及ぼす影響についていくつかの検討を行ったので、その結果を報告するものである。 まとめ 以上の結果をまとめると次のとおりである。1)HPCのフレッシュコンクリートの性状について、いくつかの配合要因を変えて実験を行なった。その結果、配合要因の適正値と経時変化への影響を把握することができた。2)コンクリートの練りまぜ方法、特に空練りの影響がコンクリートの性状に大きく影響していることが分かった。3)スランプフローとVF(S)値との関係に着目することによってコンクリートの流動性と材料分離抵抗性のバランスがコンクリートの充填性に関係があることを示唆できた。4)VF試験を行うことによってスランプ、スランプフローだけでは分からなかったHPCの材料分離抵抗性を定量的に把握することができた。また、スランプフロー試験とVF試験を組合わせることにより、HPCの充填性を表現することができると思われる。以上、二成分系HPCについて、配合、練りまぜ方法について検討し、また、これらの結果に基づいた配合設計への応用、品質試験への応用について考察を加えた。その結果、VF試験機を用いて配合設計、品質管理を行うことができるとの結論を得た。今後、粉体の種類、粉末度、配分、水との比率や骨材の粒度分布等がHPCの流動性と材料分離抵抗性にどのように関与するのかを明らかにする必要があると考えられる。本研究では二成分系HPCのフレッシュな状態の性状についてのみ言及してきたが、硬化後の性状に関しては次の機会に発表したいと考えている。 |
PDFファイル名 | 013-01-1026.pdf |