種別 | 論文 |
主題 | コンクリートの破壊過程に関与する速度効果 |
副題 | |
筆頭著者 | 竹田仁一(熊本工業大学) |
連名者1 | 高本秀幸(熊本工業大学) |
連名者2 | 谷川達彦(熊本工業大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 309 |
末尾ページ | 314 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき この研究は地震、爆発、落石衝突等の衝撃的外力を対象とする鉄筋コンクリート構造物の安全設計に関する筆者等の継続研究として行われたものである。この研究の緊急に解決しなければならない問題のひとつは、鉄筋コンクリート構造物に発生してしばしば大被害をもたらす脆性破壊の防止であり、筆者等はこれを動的破壊力学上の問題としてその性質、発生メカニズム等について考察を行った。脆性破壊について、もうひとつ知らなければならないのはその発生の可能性の予測である。この論文はそのための試みであり、次の観点にもとづいている。衝撃的外力によって構造物に発生する応答の共通の特徴は速度効果(rate effects)が発生することであり、上述の脆性破壊も鉄筋コンクリート構造物の破壊過程に出現する速度効果のひとつである。破壊過程の開始を応力が最大応力に到達した時点とすれば、その応力と歪は即にその後の過程を決定している筈である。従って、以前報告した、コンクリートの歪速度効果のうちの第2の速度効果(破壊限界に対する速度効果)を詳細に再検討する必要がある。もちろん第1の速度効果(応力上昇過程に影響を与える速度効果)も破壊過程に接続する過程として検討を加えなければならない。このような検討の結果、以下に述べる脆性破壊の発生可能性予測のためのひとつの方法が見出された。 結論 1.コンクリート及び鉄筋コンクリート部材の各種載荷方法の高速載荷実験及び衝撃実験(動的実験)の結果によると、速度効果は必ず発生し、応答及び破壊は静的な場合と著しく異なったものとなる。動的破壊力学実験でも例外ではない。2.速度効果は熱力学的効果であるが、熱的安定状態を前提とする統計力学によって動的載荷実験の全領域の速度効果を説明することはできない。3.コンクリートに発生する速度効果は2つに分かれ、第1は破壊発生以前の、第2は破壊発生から以後の応答に関係する。これらには鉄筋コンクリート構造物の設計に不利な速度効果もある。4.平均応力速度と平均歪速度との関係から第2の速度効果をうけた破壊限界の値が求められる。この式の係数βの値から動的設計に不利な速度効果(脆性破壊)が発生する場合(β≧1.03のとき)を予測することができる。 |
PDFファイル名 | 013-01-1050.pdf |