種別 | 論文 |
主題 | 高温化における鉄筋コンクリートはりの熱伝導特性と温度応力特性に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 太田俊昭(九州大学) |
連名者1 | 黒田一郎 (九州大学大学院) |
連名者2 | 日野伸一(九州大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 13 |
号 | 1 |
先頭ページ | 333 |
末尾ページ | 338 |
年度 | 1991 |
要旨 | まえがき コンクリート構造物の熱伝導・温度応力の研究は、これまで主として水和熱を生しるダムなどのマスコンクリートやPCCVなどの原子炉格納容器などを対象として数多く行なわれてきた。これらの大半の研究は100℃程度の比較的常温に近い状態を対象としており、このため、それらの熱伝導解析や温度応力解析においては、コンクリートの熱伝導率、弾性係数等の材料定数の温度依存性が十分に考慮されていない。しかし、コンクリート構造物が火災や爆発などの予期せぬ事故によって数100℃に及ぶ高温下に曝された場合、これら構造物の損傷、劣化の程度や健全度を評価するためには、高温下における材料特性の変化や部材の温度応力性状をできるだけ正確に把握する必要がある。一般に、コンクリートの弾性係数は100℃程度の温度でも1割程度の低下が確認されており、100℃以上の温度ではその他の定数についても変化が大きいといわれている。しかし、高温下におけるコンクリートの熱伝導率や弾性係数の温度依存佐については、高温状態での計測が困難なこともあり、未だ十分に明らかにされていないのが現状である。そこで本研究では、コンクリートの熱伝導率と弾性係数の温度変化が構造物の熱伝導特性および温度応力特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。そのため、まず、コンクリートの熱伝導率と弾性係数の温度変化をそれぞれ最高温度250℃、400℃の範囲の加熱実験によって計測し、それらの温度依存性について考察する。次いで、これらの温度依存性を考慮して高温加熱を受けるRCはりの2次元有限要素法による熱伝導解析および温度応力解析を行ない、これら定数の温度依存性が熱伝導特性および温度応力特性に及ぼす影響について解明する。また、RCはりの鉄筋量の影響についても検討を加える。 まとめ 本研究では、高温下におけるコンクリートの熱伝導率、弾性係数の温度変化を実測し、さらに有限要素解析により、これらの定数およびコンクリート中の鉄筋量がRCはりの熱伝導特性および温度応力特性に与える影響について検討した。得られた結果をまとめれば以下のとおりである。(1)今回の実験によれば、高温下のコンクリートの弾性係数は200℃で常温時の70%、400℃で50%程度まで低減する。しかし加熱後、自然冷却した後に測定した弾性係数は異なる低減傾向を示す。(2)300℃までの範囲では、今回使用したコンクリートの熱伝導率は温度が1℃上昇するごとに約0.1%の割合で低減する。(3)両端固定の単鉄筋RCはりの熱伝導解析によれば、300℃までの温度範囲では熱伝導率の温度依存性がRCはりの温度分布に与える影響は小さい。一方、温度分布に対する鉄筋比の影響は顕著にみられた。(4)RCはりの応力分布に対する弾性係数の温度依存性の影響が認められた。なお現在、本解析の妥当性を検証するために実構造物を対象とした実験的なアプローチを計画中である。 |
PDFファイル名 | 013-01-1054.pdf |